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長崎県長崎市の最北西にある周囲4kmの小さな離島・池島は、
かつて石炭の採掘で栄えた九州最後の炭鉱の島である。
1959年から出炭が開始されたこの島の石炭は、良質なものとして重宝され、
社宅の高層アパート群が次々に建ち、最盛期には8000人近くが生活していたが、
2001年11月29日の閉山以降は、残されたほとんどの住宅や商店街が無人となっている。
島には現在も200人程の住人がいるものの、炭鉱施設の遺構が島内各所に取り残された寂れた風景から、現在進行形で廃墟化している
第2の軍艦島とも見なされており、近年ネットなどでも注目を集めている。
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池島 |
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佐世保から高速船で揺られる事1時間、
日が傾き始めた午後4時頃、我々は池島に到着した。
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長崎の沖合5kmに浮かぶ池島に行くには、いくつか利用可能な船の運行ルートがあるが、
いずれも1日に大した本数の便は出ておらず、欠航もしやすい。
また、今回の旅の中核を担う佐賀県の嬉野観光秘宝館(2014年3月で閉館、記事はまた後日)を経由した上での移動であった為、
スケジュール的にかなりタイトで使える移動手段も限定されていた。
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一時は池島スルーが濃厚だったが、どうにか辿り着けて良かったぞい・・・!
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佐賀の河童のミイラでお茶を濁すという妥協案はギリギリ回避出来ましたね・・・。 |
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ちょうどいい時間帯の船が少なくて結構面倒でしたが、
一旦戦略的にネカフェに篭って情報収集したのが功を奏しましたね・・・。
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島につくとまず印象的に目に入る炭鉱施設の景色。
炭鉱というと20世紀の遺物のようなイメージがあるが、
池島は21世紀に入ってからも営業しており、島内の施設も比較的最近の、つい10年ちょっと前まで現役だった。
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港を進んでいくと、
よく分からない生物や有名キャラをあしらったウキでデコレートされた木が、
なんともアウトサイダー・アート的でミステリアスな雰囲気を醸しだしていた。
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散々な言いようですが、普通に町興しの一環なんじゃないでしょうか・・・。
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さて、佐世保バーガー食べるのも我慢してせっかく島に辿り着いた我々であったが、
残念ながらあまりノンビリしている時間は無い。 帰りの船の最終便の時刻がある為、滞在が許されているのはたったの1時間程なのだ。
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くっそ! まさか島巡りの足としてもの凄くアテにしていた電動アシスト自転車がダメになるとは・・・!
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一応人はいたけど辿り着いた瞬間に戸締りして帰宅しだしたしね・・・。 |
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閣下、どうしますか!?制限時間は残り1時間程ですよ!
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数少ない島内の商業施設「港ショッピングセンター」。
なかなか味わい深い外観で、本来ならゆっくり覗いてみたいところだが、
残念ながら今そんな余裕はない。
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僅かな制限時間内で、島内各所の撮影ポイントを抑えなければいけず、
県道を進む足も自然と早歩き&ダッシュになる。
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とにかく急ぎましょう!わー、いい感じの寂れ具合だなー(早口)!
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ほれっ! 貴様らもネット掲載NGとか小さい事言ってないで早く走らぬか!
何カメラの後ろばっかにいるんじゃよ!
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これ以上の身内バレは勘弁してほしいんですよ・・・。 |
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いいから、アンタ達だけで勝手に先行ってなさいよ! あたし達はジュースでも飲みながら適当に歩いてるからさー。 |
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斜面の上に聳えるのはかつての選炭工場。
ここで採掘した石炭から不純物を取り除き一時貯蔵し、出荷出来るようにしていたのだ。
よく見ると所々外壁が剥がれ落ちていたり、なかなかダメージが激しいようである。
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地形を利用して設置されている石炭船積み機(トリンマー)。
出荷する石炭を船に積み込む為に、貯炭場から県道に沿ったベルトコンベアーに乗せて運んでいたという。
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こちらはトロッコ人車乗車場。
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ここ池島は、トロッコに乗って本物の炭坑内を見学できる国内で唯一の場所でもある。
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坑道入口。 本来なら事前予約してバッチリ見学したいところだが、残念ながら今そんな時間はない。
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トリンマーにかかるベルトコンベアーの屋根は、まるで上陸者を歓迎する異世界へのゲートのようでもある。
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アイツ足速えーな! 重たい撮影機材を抱えてる身にもなれってんじゃい!
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なんか健康の為に、毎日職場まで小一時間ほど坂道を歩いて通ってるそうですよ・・・。 |
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しかし、この印象的に県道を跨いだベルトコンベアーも、老朽化による危険を理由に、我々が訪れた1ヶ月後には撤去されたらしく、
現在はもうその姿が見れないというから残念である。
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続いて見えてきたのが、鋼鉄の恐竜を思わせるジブローダー。
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かつては唸り声をあげながらレールの上を行き来し、
貯炭場の石炭を掻き寄せてベルトコンベアーに乗せるなど、ひたすら稼動し続けていたその巨体も、今は孤島の守護神の如く鎮座し、静かな眠りについている。
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どうにかアレを魔改造してドヤ顔で街を蹂躙したいもんじゃな! |
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しかし歴戦の巨大メカって感じで男の子的にもそそりますな。 |
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この池島、前述の通り周囲4km程の小島である為、通常ゆっくり歩いたら3時間、急げば2時間で一周出来るとの事だが、
思いのほかアップダウンが多く、移動にはそれなりに体力を使う。
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道すがら様々な建物を見かけるが、いずれも人の気配は感じられず、冷たい沈黙を守り続けているようだった。
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ヘトヘトになりながら1本道の坂を上りきると、炭鉱マンとその家族が暮らしていたであろう居住地区にさしかかった。
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廃墟が多く、昭和から時を止めたような池島だが、
台風の影響などで老朽化が加速した一部の建物は取り壊しが進んでおり、島内各所で解体工事が行われている。
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もう他サイトから画像を借りてくるのは避けたいですよ・・・。 |
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でも今の島の雰囲気を維持出来るのも時間の問題って感じではあるわね。 |
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ズラリと立ち並ぶ炭鉱アパート群。
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これが全部廃墟だなんて、なんと終末的な光景だろうか。
まるで人類滅亡後の世界を予見するかのようである。
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どう見ても廃墟だらけです、本当にありがとうございました。
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ここに大勢の人が住んでたなんて、すぐには信じられないわね・・・。 |
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この辺りでようやく島民とファーストコンタクトを果たす。
買い物帰りっぽいおじいさんに声をかけて頂き、少しだけ話をした。
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そう、いくら廃墟化が進んでいるとはいえ、
この池島には少なからず現在も生活を営む人々がいる訳で、近年ネットなどで注目を集め、
俄かにカメラをぶら下げた物好きな余所者がズカズカ上がり込んできている事に関して、
島民は快く思っていないのではないかと若干の後ろめたさがあったのだが、
それは杞憂だったらしく、「たくさん撮影してってよ」という暖かい言葉を頂いた。
1時間だけの滞在って言ったら苦笑いされたけど。
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もし目がイッてる島民とかいたら、その辺の丸太で応戦するぞ!
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島内のあちこちに張り巡らされた無機質な配管は、
この手の産業遺産の大事なファクターであり、炭鉱の島独特の景色を形作っている。
火力発電所で作った蒸気を分配するのに使用されていたという。
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長崎市立池島小中学校。
炭鉱の最盛期は児童数1800名近くに及ぶをマンモス校だったが、
2014年4月現在の児童数は小学生3名、中学生3名の僅かな在籍となっている。 |
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島の奥部には、当サイト的に一番の見所である8階建てのアパート群が聳えている。
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アパート4棟が連結して広がる独特な構造。
随分昔に建てられたようだが、その姿はむしろ、レトロSFの近未来都市のビルのようにすら思える。
炭鉱の入口に近い為、他よりも多くの人が住めるようにしていたらしい。
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よし! これで一応予定していた最低限の撮影ポイントは踏破したぞい!
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ここまで約30分か・・・。 あとはなるべくダメージ少ないよう帰るだけですね。
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まさかこの時、あんな事になろうとは誰も夢にも思わなかった・・・的な展開はごめんですからね。 |
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ヨシオ、なんとなく死亡フラグを立てるんじゃないわよ。 |
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高層アパートだがエレベーターが無い為、
正面入口の他にも裏手の斜面側の道と接続された5階の通用口が使用され、住人的には地上4階、地下4階のような感覚であったらしい。
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ガードレール下にあるかつての児童公園と思しき場所も、今ではすっかり枯れ草に覆い隠されてしまっていた。
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集合住宅の背景に見える四方山。
頂上は池島で一番高い場所(114m)の為、島を一望出来るらしいが、
そこにいたるまではなかなか険しい道を登っていく必要があるそうだ。
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おっ、さっき会ったじいさんが教えてくれた島全体が見渡せるポイントはあそこっぽいな!
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ちょっ、閣下! まさかあの高いトコまで行くなんて言わないでしょうね・・・。
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疑問形かよ!そんな時間ねえよ! このうえ登山とか勘弁してくださいってば! |
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行きたきゃ勝手に行けば? でもって、いっそこの島に住んだらいいわ! |
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8階建てアパートの裏手。
ちょうど5階の高さに位置し、ここに通用口がある。
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緩やかな傾斜の渡り廊下で繋がっている独特な構造が面白い。
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「御安全に」。 作業員達はここから海底炭鉱へと出かけていった。 (ちなみに帰り側は「御苦労さん」)
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島の南西端、荒れた階段を下ったところには、炭鉱作業員の入り口となった第二竪坑(奥に少し鉄骨が見える建物、手前は閉山後に研修施設として使われた建物)がある。 秒速10mのエレベーターが、片道僅か1分で海面下650mと地上を昇降していたという。 既に大半の炭鉱が閉山していた1981年に作られ、日本で最後に完成した竪坑櫓かもしれないそうだ。
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ちょっと、まさかあそこも行くってんじゃないでしょーね!? |
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閣下、そろそろ港の方へ引き返さないとゲームオーバーになります。 これ以上の深入りはちょっと・・・。 |
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ぐぬぬ・・・! 仕方あるまい、撤退も恥ずべき事では無い・・・! |
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どっかの隊長みたいな物言いが感染しちゃってるじゃないですか・・・。 |
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残り時間的にはまだもう少し行けそうであった為、
本当はもっと島の細部を拝みたかったが、ちょうど折り返し地点に到達した事と、道に迷ったりするなどの不測の事態も考慮し、念の為早めに港方面へと引き返す事に。
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島のメインストリートと思われる道路だが、ご覧のとおり
人っ子1人歩いていない。
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ここまで無人のアパート群ばかりであったが、
反対側にはちゃんと人が住む集落が存在していた。
離島だがアマゾンの宅配便なども普通に届くので、思ったよりは不便なく生活出来るらしい。
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上陸時はあまり目に入らなかったが、
朽ち果てた巨大な火力発電所跡が圧倒的な貫禄で聳え立っていた。
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本当に産業遺産の塊が生活道路の真ん前にゴロゴロありますね・・・。 |
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死(=廃墟)と生(=日常)の距離感がかなり近いようね・・・。 |
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鉄骨剥き出しの荒々しい姿は、
廃墟マニアや工場マニアといったサブカル人間にはたまらないであろう重厚な雰囲気を放っていた。
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1966年に日本で初めて設置された海水を真水に変える装置。
選炭の際に出たクズ石炭を燃やす事で、海水を蒸発させてタービンを回し発電を行なっていた。
島にとって重要なライフラインであったが、2002年に廃止され(電力は他にも海底ケーブルで送電されている)、今では錆び付き色褪せ、風化の一途を辿る。
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暮れなずむ池島。 儚い雰囲気の光加減は、あたかもいつか消えてしまうかもしれない
島内の遺構の存在にマッチし、何処か神秘的な印象を受ける。この遅めの時間帯に訪れた事の唯一のメリットであった。
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うむ、わざわざ無理して来た甲斐のある撮れ高であった。
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軍艦島とはまた違うノスタルジックな異世界感があって、実に良かったですね。
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あれ、なんか海辺で並んで夕日に向かって語ってる私達、ちょっといい感じじゃないですか? |
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さて、ここまで何故か1匹もその姿を見かけなかったが、
池島は猫の島でもある。 炭鉱現役時代はそれ程生息していなかったそうだが、閉山後に姿を消した多くの人間に取って代わるかのように増えたとか。
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今までのブランクを埋めるかの如く、急に猫の姿が目に付くように。
危害を加える存在が無い為か警戒心は薄く、都会の猫よりも容易に近づく事が出来た。
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どおりで港付近に多いと思ったら、親切な島民に餌付けされているらしく、
人間が近づくのもお構い無しに夢中でバクバクと食らいついていた。
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まさに猫のパラダイスといった感じで、そこら中に野良がウヨウヨ。
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余談だが、我々が島に訪れたこの日は奇しくも2月22日=猫の日であり、池島をモチーフにした映画『池島譚歌』の公開日でもあった。
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にゃんてこったい・・・!池島というか猫島やんけ・・・!
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確かに、この島は人間よりも猫の方が多いですね・・・。
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今更になって見つけた池島ガイドマップ(1982年撮影の航空写真)。
今回は時間の都合により行けなかったが、何気に「龍神のほこら」なんて表記の場所もあり、なかなか厨二心がくすぐられる。
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池島の「池」は、現在港になっているこの場所に元々あった周囲1.2kmの鏡ヶ池(炭鉱を作るにあたり切り開かれた)から取られたものだという。伝説ではこの池に、龍が住んでいるとされていたそうだ。
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そんなこんなで、最終便の船がほぼ定刻通りにやってきた。
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いやあ、とりあえず間に合って良かったですね・・・。
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結果的には猫写真何枚も撮れるくらい余裕だったじゃねーか。 |
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ったく、毎度毎度このいい加減なノリいい加減にしなさいよね・・・。
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これに乗り遅れたら明日朝の飛行機も危ないですからね・・・。 今度はもっとゆっくり来れたらいいですな・・・。 |
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さらば池島。また会う日まで。
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産業遺産と住人が共存する池島。
今回、駆け足での取材となってしまい(実際走った)、最低限の見所を抑えるに留まったが、それでも少なからず島の魅力が伝わる一助となればと思う。
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今の光景からは信じられない事だが、かつての池島炭鉱は24時間3交代制で操業し続け、
灯が昼夜消える事の無い活気に満ち溢れた島であったそうだ。
その後、炭鉱としての半世紀の歴史に幕を降ろし、過疎化の一途を辿っているものの、
産業遺産としての価値が見直され始めている今日、見学ツアーなどで若年層の観光客も徐々に増えているという。
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しかし、九州最後の炭鉱島の姿は、
依然として当時の面影を随所に残しながらも、ゆっくりと少しずつ、確実に失われつつあるようでもあった。
今後も池島の行く末を見守っていきたいと思う。
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オマケ
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こちらはにゃんこ写真を撮影中の様子。
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本土の港に着くと、何やら我々に向かって猫まっしぐら。
池島で猫まみれになっていた為、仲間の匂いを感じ取ってやって来たのかどうかは不明。
一瞬その眼光の鋭さから殺られると思ったが、
人懐っこくて可愛い奴であった。
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