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S診療所
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岐阜県の某所に、“健全ナル国民ノ診療所”と呼ばれる廃墟がある。
所在地の公開が主な廃墟サイト間でもったいぶって特にタブーとされている物件である。
確かに実際現地を訪れてみると、地元住人ですら分からない様な場所にひっそりと存在しており、苦労して探し出したのならば、
隠したくなるのも頷ける話だ。 |
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ケケケ! 我が教団の捜査網を持ってすれば発見する事なぞ容易かったぜ! |
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おい、そこのドヤ顔のオマエ。 さては日頃かなり暇を持て余してるな? |
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これは優良物件でありますね。 場所が分かり難い方がDQNに荒らされなくて好都合でありませう。 |
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だが、全然健全じゃない国民の俺らが足を踏み込むぜw |
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建物自体は熟成してボロボロなのだが、
戦前に建てられた個人医療機関の成れの果てであり、廃墟マニアでなくとも、
時代の名残を色濃く感じさせるその趣に、引き込まれるものがあるのではなかろうか。
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昔風の収納箱か何か。 棺桶っぽいから一瞬死体でも入ってやしないかとヒヤッとしたさ。 |
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薬品の入った瓶が棚に並べられている。 この廃墟を構成する上で、割と重要なアイテムである。 |
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戦場に向かう特攻隊隊員でもないくせにヒロポンに手を出したら、日本男児の恥じ晒しであります。 |
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これが診療所の受付。 小窓を通じて会計や処方箋の交付などレセプション業務が行われていたと思われる。 |
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授菓口?まさかここからお菓子が貰えたというのか!? |
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受付の内部。 窓口を別ける意味はあまり無い気がするが、これが当時のスタンダードであったのだろうか。 |
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待合室であったと思われる場所には椅子がポツンとあった。
不思議な存在感を醸し出す配置である。 |
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足元には普通にゴミみたく書物が散乱しているが、
実はこれ一つ一つが博物館に収蔵されててもおかしくないくらい、現代っ子的にレアなものなのではなかろうか。 |
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でもってこちらが多分診察室であったと思われる部屋。 見慣れないレトロな備品の数々があるが、そんな事よりも誰かが苦労してセッティングしたらしき、この収納箱のアンバランスさが気になるってもんだ。 |
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もの凄くドイツ語で書かれた業務日誌か何かもありました。
日本なんだから日本語でおkという感じだが、誰もいない難破船で船長の日誌を発見した的な雰囲気は味わえたから、まあいいだろう。
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オカルト度がやたら高い人形の生首が転がっていた。
元はどんな姿だったのかは知らないが、最終的に無駄を省いた形態に行き着いた様である。 |
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葉書や名刺もそのまんま。 この廃墟の空間自体が巨大なタイムカプセルみたいな感じだ。 |
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端っこの方には診察台(分娩台?)がありましたよ。 ここで一体どんな変態プレイ医療行為が行われ、何人が救われたのであろうか。 |
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さらに、隣の部屋はDr.コトーも東京にトンボ帰りしそうなくらい、物が雑然としておりやした。何用として使われていたんだか。 |
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どーだい大さん?こーいう廃墟もネタとして悪くないだろ? |
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ああ、まあな。じゃが、そもそも帝国は廃墟サイトではないぞ。 |
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この前どっかでオススメの“廃墟サイト”として紹介されてましたけどw |
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治療に用いられたのであろう医療器具セット、通称・お医者さんカバン。すっかり錆び付いてしまっている。 |
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男女なんとかという戦前の月刊誌。 現代で言うところの『an.an』や『女性セブン』とかそんな感じだったのかもしれない。 |
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医療カルテもそのまま乱雑に押し込まれている。 どうせもう死んでるとはいえ、個人情報流出し放題である。 |
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さて、下はあらかた見て回ったので、これより2階の探索へ参ります。 ところで、賢明な読者の諸君は、階段が斜めに傾いている様に見える事に気づいたと思うが、
実はこれ目の錯覚でも、写真撮るのが下手だった所為という訳でもない。
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日本経済ばりに建物が右肩下がりなのデス。 |
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2階は医師の居住空間であったと思われる。 ビリビリの障子に、日光が届かないジメジメした畳の間で、さながらお化け屋敷と言った感じの雰囲気である。 |
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隣の部屋は寝室であったらしく、布団がそのまま敷かれた生々しいったらありゃしない状態でした。
ってか、まさか半世紀以上この状態なのだろうか? |
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部屋中に所狭しと書物が転がっているじゃないですか。
これはママに見つかったらゲンコツされるレベルの散らかりっぷりではあるまいか。 |
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自宅警備員の俺ですら、もうちょいキレイにしてるぜ! |
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うん、分かったからオマエはハロワ行けよ。廃墟じゃなくて。 |
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大正~昭和の遺物の山を前に、まるで宝箱を発見したかの様に興奮気味の日本兵。 |
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おおお・・・!コレは、コレは実に素晴らしい・・・! |
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昭和5年(1930)に発行された岐阜の地方新聞が普通に落ちている。 特にこれといった記事は無かった・・・というか、例え書いてあっても言い回しが古くて今いち内容がピンとこないと思う。 |
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経年劣化でだいぶ痛んでいて分かりづらいが、メンコやカードゲームの様なものがあった。 |
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ところでこの部屋、結構な規模で床が崩れているので、モノに気を取られてばかりいるとエラい目に遭います。 診療所で怪我とかイタ過ぎるしな。 |
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これ見よがしに広げられた、達筆の果たし状みたいな書簡は、医師自身によるものなのだろうか。 ところで、陰陽師の如く呪文を唱えてるみたいに一瞬見えたかもしれないが、彼は廃墟マニアである。 |
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俺はむしろ異世界に召喚されたいぜ!美少女によって! |
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押入れの内部にも書物が山積みだ。 もしかしてこの重みで建物が傾いたりしているのでは?
たしか、部屋に漫画本置き過ぎて部屋の床が抜けたってニュースが以前あったな。
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日本兵も興味津々の、大日本帝國海軍についての記事が。 今じゃこんなの国会図書館かディアゴスティーニくらいでしか見れないだろ。 |
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お国の為に我死なん・・・!天皇陛下万歳・・・! 先達の英霊達の思い、決して無駄にはしないであります・・・! |
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何かいかにもなもんが転がってましたよ。 よく分からないが血液サンプルっぽい感じがして、迂闊に触る気にはなれない代物だ。 |
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天井付近には標語らしきものも貼ってありました。 どうやらこれが“健全ナル国民ノ診療所”と呼ばれる様になった元ネタと思われる。 |
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なんじゃこりゃ、さっぱり意味わかんね。 男子便所の「もう一歩前に出ろ」みてーなもんか? |
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健全なんて気味が悪いぜ。日本人はもっと廃墟へ行くべきだ。 |
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まあ内容は結局のところ、とにかく努力しろと言いたいんだと思う。 |
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廊下の突き当たりはこんな感じ。 どんなに雑巾がけで往復しようとも手遅れと思われる。 |
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さてさて、とてもいい廃墟でしたが、この後もクソッタレなスケジュールが残ってるので、そろそろ21世紀の日本に撤収します。 |
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オイ貴様ら、これ以上ワシの知らないコンテンツの話で勝手に盛り上がるの禁止じゃゾ・・・! |
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そもそも廃墟というのは人間にホッタラケにされた建物の事だが、
ここの廃墟に関しては、特にそっとしておいて欲しいと思わせる、そんな物件であった。 (とか言いつつ、訪れた自分らの事は激しく棚上げなのはデフォルト)
これからも同地で、出来るだけ末永く歴史を抱き続ける事を願う。 |