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F楽苑 |
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岐阜県の某所、風光明媚な川沿いの山中に、さり気無く角の様な頭を覗かせた
白い塔が存在している。通称「ホワイトスラム」。 その昔、ある新興宗教団体の施設だったという廃墟である。 |
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車がビュンビュン通る道路に面した敷地の出入り口では、特徴的なキノコのオブジェが我々を迎えてくれた。 |
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今のバス停は道路の反対側にあるみたいだが、1時間に1本くらいしか来ないっぽいぜ。 |
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周りに民家も無いのに、ここで乗り降りする人いるんすかねw |
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奥へ進んでいくと、開け放された正門がありました。
敷地全体が山の斜面に沿って置かれている様で、先に続く坂道が朝っぱらからのハイキングを予見させる嫌な眺めである。 |
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昨晩は車内の放射冷却が酷くてちっとも寝れませんでしたしね・・・。 |
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それもありますが、何故かアナゴさんの話題で遅くまで盛り上がり過ぎでありますよ・・・。 |
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基本的に廃墟マニアは、宿に泊まらず、ろくに飯も食わず、風呂にも入らないのだ。 |
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そもそのこの地は、かつて「F楽苑」という大型観光施設として賑わっていたそうな。
通り沿いには多くの物産店が軒を連ね、園内にはコテージやバンガロー、劇場や宴会場、水上庭園等があり、
半世紀近く前には動物園もあったと言われている。 |
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山中には散策コースも敷かれ、
山自体の観光開発を目論んでいたらしいのだが、次第に客は遠のいていき、今から数十年前の時点で閉園となってしまった様だ。
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また、末期には、とある新興宗教団体の施設として使われたそうだが、その教団も近年活動を停止したらしく、
白い塔も放棄され、今では近づくのは廃墟マニアくらいという有様となっている。 同地にまつわる情報は少なく、分かっているのはこれくらいである。
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何でもない道端で、唐突にお狐様が鎮座しておりやした。 これも宗教団体の仕様として置かれたものなのだろうか? |
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崖の下には、グッチャグチャに倒壊した売店だかコテージの廃墟が見える。どうしてこうなった。 |
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運動不足&寝不足&風呂不足という、ろくでもないコンディションで獣道と化しつつある山道を登っていきます。 |
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くっ、調子こいて山の上なんかに建てっから廃れるんじゃよ・・・! ザマア・・・! |
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ファック・・・、昔は途中まで車で行けたみたいだがな・・・! |
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マシンガン入りのギターケース背負って登るのは難儀っすねw |
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冬眠から目覚めた熊が出るかもしれないからな・・・! |
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いざとなったら、自分が鼻パンチして戦意喪失させるであります! |
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勇ましいのはいいが、うっかり戦死して夕方のニュースで流されても知らんぞ。 |
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ショボかったらタダじゃおかねーと思いつつ、斜面の上にある例の仏塔を目指して筋肉痛気味の足を前に動かしていく。 蜘蛛の巣はウザいけど、山の空気はおいしいです。 |
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はてさて、景色に溶け込み過ぎて見逃しそうだったが、
すっかりツタに覆われたジャングルジムみたいなものがあるじゃないっすか。
遊具だったのか鳥小屋だったのか、今いち何だか分からない。 |
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逃げ出そうとした信者を閉じ込めておいた檻か・・・!? |
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「世界人類が平和でありますように」 ベタに宗教色を臭わせる立て看板が無残にも倒れ落ちていた。
そして案の定、世界は今日も混沌に満ちております。 |
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ふんっ、まるで主体性の無い願い事じゃな。 人類史ってのはいつの時代も血塗られてるもんじゃ。
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所詮この世は弱肉強食。 人間が存在する限り、争いなんて永久に無くならないのさ。 |
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だが、この俺が正義の名のもとに世界を平和にしてみせるッ! 割安料金でッ! |
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「正義」に基づいた「平和」スローガンみたいのが一番厄介な気が・・・。
しかし戦う事は人間の本能でありますからね。 |
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さらに周りを見渡してみると、きっとアルピニストの野口健さんも悲しむくらい、そこら中がゴミだらけではござーませんか。 山に来たらゴミは捨てずに持ち帰りましょう。 |
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ゾンビに襲撃でもされたかの様な廃バスが斜面ギリギリの場所に放置されとりました。どうやらこのF楽苑の専用車であったらしい。 古めかしい形状をしており、同地が見捨てられて長い事が伺える。 |
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しばらく進んでいくと、塔のある本丸が近い事を思わせる荒れ果てた階段が我々の前に現れた。あともう一息の様です。 |
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階段の中間には、何故か象の像が両端に設けられていました。
狛犬ならぬ狛像のつもりなのだろうか。 風雨による劣化の為かクリーチャー化していて、不気味な雰囲気である。
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現役時代はセキュリティー・パオーン、通称SPとして活躍していたのかもしれぬな・・・! |
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戦時中、何の罪も無い動物園の像が毒入りジャガイモで処分されたという悲劇を思い出させるでありますな・・・。 |
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反対側にも木々に覆い隠された象の像があったぞう。 どうやら鼻の先から水が飛び出す仕掛けになっていたらしい。 小便小僧のデカいバージョンみたいなもんか。 大便って事ではないよ。
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ワシだったら侵入者に硫酸を浴びせて撃退するがな・・・! |
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旧日本軍もビックリな容赦の無さでありますな・・・。 |
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そして、階段を登り切ると、ようやく青空に栄える白塗りの塔の姿が。 どうやら本来の名は平和塔というらしく、先程の立て看板しかり、世界人類の平和を祈って建てられたものらしい。 |
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象の像に続いて、塔の入口に当たる階段両脇の台座には、とうとう本格的にRPGのザコモンスターっぽい謎の生物の像が佇んでおりやした。
この感じはなかなか邪教っぽくていいですね。 |
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ったく、統一感のねえ場所じゃな・・・。 もしやここ、UFOとかもよく目撃されてんじゃねーか? |
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噂では、付近の山中で人骨が発見されたとかで、心霊スポットともされてるみたいだぞ。 |
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なんかそれ、ついでに後付された感が漂うでありますね・・・。 |
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誰が呼んだかホワイトスラム。 まるでナメック星の最長老様の家みたいな印象である。 隠居生活で引きこもるにはお誂え向きの場所だし。 廃墟という割には見た目はそこそこ奇麗であり、内部には金ピカのお釈迦様があぐらをかいて座っている。 |
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最長老:フッ、よもやここまで辿り着こうとはのう・・・! だが、ワシの寿命は残り少な・・・ぐはッ!! |
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なんだ、置いてきぼられた涙目の教祖かと思いきや、ただの仏像じゃねーか。 |
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どんだけですかwにしても、全くもって誰得な建造物だ・・・。 |
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強いて言えば我々みたいな業界人への置き土産でありますよ。 |
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ケケケ、神も放置プレイって訳か。人間てのは無責任なもんだな。 そのくせすぐに救いを求めたがる。 |
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賽銭箱を見つけるや否や、早速中身を調査する外道ライダー。 生まれたばかりの姪っ子にはとても見せられない姿である。 |
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塔の上には二段階で登る事が出来、そこからの景色はこんな感じ。 咲き誇る桜が奇麗であり、弁当持ってピクニックでもしたくなる雰囲気である。だが、それをぶち壊すかの様に・・・ |
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ふと下を見ると、賽銭箱を斜めにして実力行使に打って出ている外道の姿が。 |
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昔ゲーセンの機械でそれやって店員に捕まってた奴いたぞ・・・。 |
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煩悩の塊が動いてるであります・・・。 やはり日本人は物質的に豊かになっても、精神的には貧しくなったのでありましょうか・・・。 |
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塔の周りもグルッと回ってみたのだが、残念ながら内部に入れそうな場所は無かった。
頑張って登ってきてこんな訳の分からないものだけでは、自然と人も寄り付かなくなるってもんでしょう。
それでも、山中にポツンと建つ用途不明のこの廃宗教施設は、気になる怪しい存在として、
今なお人目を引いている様である。
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