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S観光ホテルH
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鳥取砂丘の背後に位置する多鯰ヶ池(たねがいけ)はですね、周囲3.4km、面積は24.8ha、最深部の水深は15.1mってな、中国地方最深の池であると同時に、県内有数の心霊スポットなんですよ。
そんなところからか、しばしば“多念ヶ池”とも表記されちゃってるみたいなんだなあ。
昔、鳥取第40連隊ってのがあった頃、砂丘やこの多鯰ヶ池では軍事教練が行われてたらしくてですね、池で訓練をやってた兵隊の集団溺死事件が起こったとされてるんですよ、ええ。
その為、この池に夜1人で行くと無数の手にズルズルズルッてな感じで引きずり込まれるって噂されてるそうなんだなあ。
あとね、この池では戦前まで水葬が行われていたらしくてね、底部には人骨がゴロゴロしている為、ここら周辺は昔から霊が出るってな話があるらしいんだね。
ところで、この池には名前の由来になったと思われる話がありましてね、まあ全国的にありがちなんですが、大蛇伝説があるんですよ。
昔、因幡国法美郡宮ノ下の長者が、福部の細川ってトコから、お種という名の美しい少女を使用人に雇い入れたそうなんですね。
んで、ある時お種は、仕事終わりに腹を空かせていた使用人達に、とても甘い柿を持ってきて振る舞ったそうなんだな。
そんな事がその後も幾度かあったもんだから、お種が柿を何処からもいでくるのか不思議に思った使用人達はだ、ある夜お種の後をコッソリつけてみた。
したらば、お種は屋敷から少し離れた大きな池の畔に着くと、着物を脱ぎ捨てて、なんと白蛇に変身したそうなんだ。
でもって、白蛇になったお種は池の中程にある島まで泳いでいくと、その島の大樹から実った柿をもいでたそうなんですね。
いや~、こりゃマズイなあ、嫌なもん見ちゃったなあって、驚いた使用人達は屋敷に戻って「あ・・・ありのまま、今起こった事を話すぜ!な・・・何を言っているのかわからねーと思うが」ってな感じで
他の者に伝え広めてしまったんですねえ。 その後、正体を見られたお種が長者の屋敷に現れる事は二度となく、次第にその長者の権勢も衰えてった・・・ってな話だそうですよ。
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そんな多鯰ヶ池を見下ろす場所に建てられたホテルの廃墟を、うっかり道すがら発見しちまったので調査してみる事に相成りました。
なお、池自体には何も無いので今回はスルーします。
「ちょwww(早見淳二郎 談)」 |
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このホテルは池に続く斜面に沿って建てられており、
坂の上の本館(2階建て)と、坂の下の新館(3階建て)の、二棟が繋がって構成されている。
どうやら開業当初は本館のみの民宿規模であった様だが、観光客の増加を見込んでか、途中で増築が行われた様である。
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やはり“観光ホテル”と名のつく物件は、大抵廃墟になる運命の様でありますね。 |
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ふむ、日本一人口が少ない県だからこそ、廃墟はそれに反比例してゴロゴロあるのかもしれぬな。 |
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この池の近くには「静山荘」っていう、かつて一家心中があったとかで有名な心スポとなった廃墟があるのだが、しばらく前に某企業に買収されてから不審火で結構焼けて不気味さ半減の上、実は噂は全部デマってのが分かっちまってるショボ物件らしいんで、今回はここの廃墟で我慢しておこうぜ。 |
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この池を取り囲む感じで、砂丘も廃墟も半径1km以内に点在している訳か・・・。 |
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正面突破は無理ぽだったので、裏手の斜面を下って、たまたま開いてた新館の1階からお邪魔致します。 |
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フッ、いざとなったら、ワシだけ飛行機で帰るから、あとの事は宜しくな貴様ら! |
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とりあえず客室はこんな感じ。 ストラックアウトされまくったみたいにボロボロな障子から垣間見れる眺めは、目の前が池という事で悪くはなかったかもしれないが、いかんせん心霊スポットなるマイナスなレッテルによって台無しな感じだ。
案外、廃業の理由はそんなところが少なからず起因しているのかもしれない。 |
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昭和を感じるダイヤルのついたテレビジョンがありました。 薄型が当たり前の現代っ子から見ると、もはや電子レンジかと見紛うくらいですね。 しかも、その下の台座にはレトロなゲーム機(SHARP製)が備えついているではありませんか。
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テニスとカーレースとホッケーとは、昔ながらのセレクションでありますな・・・。 |
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これで急にパッと画面が映ったりしたらホラーなんじゃがな。 |
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アダルトのペイチャンネルだったら俺はウェルカムですよw |
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更に奥へと進んでいくと、従業員部屋だったっぽい空間に出ました。 カビくさい布団が大量に積み重ねられているが、どうやら客室にあったものを一箇所に集めた様である。 |
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おっと、ここで何かレアっぽいニンテンドー・アイテムをまたもや発見しましたよ! |
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こ、これはwwwファミコン時代のガンコンか何かですかね?www |
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そーいや昔、これ使いそうなソフトをプレイした事を思い出しわい。 たしか、『ゴ●ゴ13』とかいうクソゲーじゃった。 |
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何やら視線を感じたので振り返ってみると、創業者のH氏と思しき男性の肖像画が我々を見下ろしているではないか。
どうやら、このホテルは開業当初、「ホテルはくよう」という名で営業していたらしいのだが、砂丘に訪れる観光客の増加に伴い増築を行い、「S観光ホテルH」という名に改めたらしい。
ちなみに、創業者のH氏は、1996年10月に、『人間か 民族か-韓国人「ドン・キホーテ」の八十路』という自伝的な著書を出版している様である。
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ふんっ、平成ゆとりーランド産まれは知らぬか。 せいぜいググるがいい・・・。 |
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何を言ってるんでありますか! 自分は爆煙を幾度も駆け抜けたバリバリの昭和初期っ子であります!気持ち的には! |
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畳の上にリビングの如くテーブルとソファが設置されていました。 従業員がくつろいだり、異論・反論・オブジェクションしたりしたのだろうか。
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うーん、金目のものはないか~。シケてやがるぜ・・・。 |
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絵面がシャレになってねーから余計な事言うんじゃねーヨ。 |
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サーセンwおっと、良い子の皆はマネも通報もしないでくれよな! |
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全部で25部屋ある客室は、殆どが同様の造りである。 何処の部屋からも多鯰ヶ池が見渡せる構造になっているらしい。 まあ、それが仇となって、夜な夜な青白い顔とか余計なもんまで見えちまったのかもしれませんが。
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部屋の広さは大体6畳くらい。 レジャーに訪れた家族3、4人が泊まるにしてはやや手狭な印象も受けるが、まあこんなものだろうかね。 |
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砂丘なる観光地がすぐ近くにあるにもかかわらず、どうしてこうなった・・・。 |
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マツコ・デラックスみたいな霊が出たんじゃよ、きっと。 |
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不景気で唯一喜べるのは、こーいう廃墟が全国各地に増えるって事だな。 |
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とりあえず鳩山は5月末をもって退陣するべきであります! 富国強兵であります! |
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客室の通路。こうして見ると奥行きはあまり無いですね。 それにしても、換気が全然なされていないので、空気が淀んでいて気持ちが悪い。
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すっかり乾燥してしまった哀れな姿の観葉植物が、時の流れを物語っている。
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まあ、このワシにかかれば、別に廃墟じゃなかろうが茶色くする事は造作もないがな!(参照) |
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特殊能力っぽく言っても全然かっこよくはないですよw |
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何故か階段の踊り場には、誰も出んわ状態の電話が放置されとりやしたよ。 ハードボイルド気取りの住処じゃあるまいし、地べたに置くのはイクないよ。
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たまにテレビも床に直接置いてる家とかあるけど、個人的にアレは無しじゃい。うっかり盛大に蹴り飛ばしちまうっちゅーねん。 |
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階段を登りきって、床が軟らかめで嫌な感じの渡り廊下を進んでいくと、斜面の上にある本館に出ました。 物置みたいな状態で、様々な残留物が所狭しと並べられている。 |
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まだ使えそうなものも結構ありますね。 リサイクルセンターにでも売りつけっかなw |
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営業時のスナップ写真が無造作に残されていました。 日付から14年前に撮影された事が分かる。 雰囲気的には、経営者の女性とお客の家族が玄関前で記念撮影したものと思われる。 「ボク写真なんか嫌いママン」という感じで写る可愛らしいボウヤも、生きていればもう成人している頃だろう。
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うわっ、女性の下半身が消えちょる・・・!し、心霊写真じゃ! |
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ちょwよく見て下さいよ、背景に溶け込んでるだけですよw |
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あまり枚数は撮れませんでしたが、予定が詰まってるのでそろそろ行きませう。 |
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ケッ!俺はカメラあぼーんしちまったから、全然撮ってねーけどな。 |
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【番外編:その後の小話】
(参考文献:外道ライダーHALのmixi) |