真実の口(ボッカ・デラ・ベリタ)は、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の外壁、教会の正面柱廊の奥に飾られている。元々は下水溝のマンホールの蓋だったらしく、海神トリトーネの顔が刻まれている。手を口に入れると、嘘つきは手が抜けなくなったり、手首を噛み千切られるという伝説があり、映画『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーンが手を入れるシーンにより、一躍世界的に有名となった。
ケッ、マンホールの蓋の分際でチヤホヤされやがって。見てみろ、「ウガッ!」とか言いそうな実にマヌケな顔だぜ。
大魔王様と気が合いそうじゃないですか。
ウガッ!?
自分がモテないからって、何こんな無機物に嫉妬してんのよ、みっともない。
ちがわいっ、そんなんじゃないやいっ!フッ、いっそ誰も手ェ突っ込みたくなくしてやろーじゃねーかコラ!
な、何ですか、それ?
ションベンだけど。
は?
え?
まあ、一杯やってくれや。
だあああいいいいまあああッ!!!?
きゃああああああああッ!!!?
嘘に決まってんだろ。中身ファンタ・オレンジだし、一滴も口に注いでねえヨ。
キャラに違和感無い嘘やめんかッ!!
手ェ噛み千切られろッ!!
こんなバカップルがあちこちで見かけられるのもこの国の特徴か。