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[2008.01.17]

ギリギリ・ボーイズ・オン・ザ・ラン



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福井県坂井市三国町安島にはですね、高さ25m程の絶壁が続いている“東尋坊”ってな場所があるんですよ。
ここはですね、乱暴者で恨みを買い、仲間に酒で酔わされて崖から海に突き落とされた平泉寺(勝山市)の僧の名前が地名の由来だそうでしてね、国の天然記念物に指定されている名景勝地であり、年間100万人が訪れる県内一の観光地なんですがね、もう一つの側面としては、自殺の名所という悲しい現実があるんだなあ。
毎年30人以上の遺体が、この近くの海域で引き上げられるそうでしてね、不可解な心霊写真も多く撮られる事から、心霊スポットとしても有名なんですよ。
また、その東尋坊から、約1km程離れた海上には、“雄島”ってな無人島がありましてね、東尋坊から身を投げた人の水死体が海流に乗ってここの岩場に流れ着く事から、別名「水死体があがる島」と呼ばれているそうなんですよ。
この島には古くから、「島を一周する道を逆周りすると霊界に導かれ、戻ってくる事が出来ない」という言い伝えがありましてね、ある時、深夜に3人の若者が、霊が現れると言う噂を聞いて雄島に肝試しに訪れ、その言い伝えに逆らい、反時計回りに歩いたそうなんですね。
で、何事も無く島を一周して、帰ろうと島から本土に繋がる雄島橋を渡っていた時、突然、1人の若者が立ち止まった。
見ると、その若者は、橋の下から伸びた手に足首を掴まれて、動けなくなっていたそうなんですよ、ええ。
それを見た他の2人の若者は、悲鳴を上げてその場から逃げ出したそうで、翌日、置き去りにされた若者は、水死体となって発見されたらしいです。
でもって、更にその数日後には、逃げた2人のうちの1人は、事故で死亡し、もう1人も消息不明になっちゃったとか言う話もあるみたいですよ。
こんな感じでね、とにかく、様々な怪奇現象が起こる場所だそうです。
てな訳で、死者の怨念が生者を海に引きずり込む可能性がありますので、気をつけて下さい。あと、お土産は越前ガニで結構ですよ、ええ。


ザッパア・・・

真冬早朝日本海は凍えますね。

うむ、実にふざけた三拍子じゃ。

それにしてもちょっと早く来過ぎましたかね。
観光客は誰もいないし、土産屋は何処も準備中だし・・・。

仕方ねーじゃろ。
昨夜の滞在先の福井のカラオケは午前4時に追い出され、積雪の寒さに耐えられず、それから1時間以上コンビニで立ち読み大会で、駅周辺には他に留まれる様な気の利いた場所も皆無な事から、始発でとっとと移動せざるを得なくなったんじゃからよ。

いやはや、何と言うか、エグザイルな旅ですね・・・。

東尋坊の鳥瞰図的な縮尺1:1000の模型がありました。

なかなか良く出来ていますね。なるほど、まさに崖っぷち。
まるで今の僕らに言い得て妙な・・・

それ以上言ったら突き落とすゾ。

ご覧下さい、模型なぞとはスケールが違う、この風光明媚な景色を。

そして、この荒々しくダイナミックな波を。落ちたら死ねるね。

こりゃ、立ってるだけで火サスのラストっぽくなるってもんですよ。
つい無駄に自白とかしちゃいそうです。

閣下、僕に何か隠している事がありますよね・・・?

ぐぐっ!?・・・え、いや、んー、別に。

とぼけてもダメです。調べはついているのですから。
あの時間帯、あの行動を取れたのは閣下、あなただけです。

・・・そうじゃよ!
昨夜カラオケで寝ている隙に、貴様の財布からこっそり諭吉を拉致ったのは、このワシじゃよ・・・!それが何か?

返しなさい。

「粗末にするな、親からもらったその命」
こういった、この崖から飛び降り自殺しようとする者に対する呼びかけが、周囲のあちこちに見られる。

まったく、こんなとっから飛び降りようとする奴の気がしれんな。
寒くて冷たいっちゅーのに。

まあ、追い詰められた人間にしてみれば、そうしてまでこの世から退場したくなるって事なんでしょうね・・・。

海岸の遊歩道には、「救いの電話」と呼ばれる電話ボックスが。
死に向かう者を少しでも引き止めるべく、設置されているものだ。

中にはたくさんの10円玉とテレカがあり、最寄の警察署やお寺の電話番号が記載されていました。
まずは落ち着いて、誰かに相談しろって事みたいですね。

また、「命」と大きく彫られた白い木箱の上には、よく分からないダルマ神輿の置物があり、横の板には「よーく考えてみさっしゃい!」と広島弁で再考を促す有難い一文が書かれ、観音像と思われる不気味なものが貼り付けられていました。

なんたる独特な空間・・・。

誰もが携帯電話を持っているこの時代に、一体どれ程の防止効果があるのでしょうねえ・・・。

基本的に他人の迷惑にならなきゃ、死にたい奴は勝手に逝けって感じじゃが、まあいいだろう、現世に留まりたくなる様な何か心引かれるグッズを我々も残していくか。エロ本とか。

普通に小銭を置いていきましょうヨ。

ところで、「旅先から故郷に電話してみませんか」との事だったので、

思わず九州の実家に連絡する逆本。

ああ、母さん、久しぶり。オレオレ。元気だった?
んん、今ちょっとね、旅先からかけてるんだけどね。え、うん、就職?いやあ、ちょっとまだだなあ・・・。え、結婚?いやいやあ・・・。

ふぁ~あ。眠い・・・。

黒ニャンに「おどれら何しとるんじゃコラ」って感じでガンつけられたので、そろそろ東尋坊を跡にし、雄島に向かいたいと思いまーす。

おやおや、道を歩いていただけなのに、いきなり親不孝呼ばわりされましたヨ。まあ、あまり否定も出来ないけどもさ。

早くちゃんと就職するか結婚しろ、この親不孝もんが。

うわあ、閣下ってば容赦の無い・・・。
親戚のおじさんみたいな事言わないで下さいよ・・・。

海岸沿いの遊歩道をしばらく歩くと滝がありました。
ここで注目して頂きたいのは、後方下側の壁の部分。

とても興味深いものがおられるのですが。

何ですかねアレは?気になるなあ・・・。

映画とかだと、あーいうのを動かすと、お宝が隠されている秘密のダンジョンの入口が現れたりするんじゃがなあ。
ちょっと動かしてみっか。

閣下、それはやめときましょうよ・・・。

さらに先に進むと、木の根元に何故か献花の様なものが。
一体これは・・・?

何の理由も無く、普通こんなものは置かないですよね・・・。

誰かの思い出の地なのかもしれないな・・・。

そ、そんな素敵なものなのでしょうか・・・。

そんなこんなで、海岸沿いを2km程歩き、ようやく我々は雄島に辿り着いた。

雄島へ渡れる唯一のルートである200m程の雄島橋。
深夜、肝試しに訪れた3人の若者が、帰りに橋の下から伸びた手で足首を掴まれ動けなくなったとされる場所です。

この海域では年間30人以上もの水死体が発見されるという事ですが、東尋坊から飛びこんだ人の全てが引き上げられる訳ではないので、実はもっと、多くの身投げした水死者の霊が周辺を彷徨っているのかもしれない・・・。

女子の敵っぽい変質者的なエロい手やら触手が出てきようもんなら、ワシのこの最強手刀「カラミティ・エンド」でぶった切ってやんよ。

おお閣下、それは誠に心強いですねえ。不安でもありますが・・・。

雄島の入口の鳥居前にて。
入って左手に大湊神社というのがあるそうですが、島そのものがひとつの神聖な場所っていう感じになっている様ですね。

ふん、犬の分際で高みの見物決め込みおって・・・。

てゆーか、閣下が来ている時点で、魔除けの役割を果たしていないですよね・・・。


島を逆周りすると霊界に行ってしまって戻れないとの事ですが、雄島には順路の標識などはなく、右周りと左周りのどちらが正順で逆順かは不明です。
一応は、反時計な右周りが逆順で、神社側へ進む左周りが正順とされている様ですが、解りにくい小道もあったりして、噂を知らない観光客が適当に歩いて、普通に言い伝えに逆らっていたりするのが実情の様です。

という訳で、ちょっと雄島を逆走してみましたよ☆

どうじゃ、霊界の扉は開いたかっ!?

いえ、単に足が泥だらけ&筋肉痛になりました。

調査結果:とても眺めの良い場所ですた。以上。

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