> インフォメーション > きょうの終末黙示ログ > Article


[2017.09.17]

『マジカル・アジア』で呪いのワラ人形を見てきた



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

現在、上野の東京国立博物館で開催中の『マジカル・アジア』。
東洋館の秋フェス「博物館でアジアの旅」における企画展で、 今年は各地の吉祥、魔除け、呪いなど、目に見えない不思議なパワーにまつわる展示物がテーマとなっている。
そんな中でも、ネットで話題を呼び人々をドン引きさせたのが、“実際に使用された呪いのワラ人形”の公開である。
健全なオカルトサイト的にスルー出きず、ちょっと見学してきました。


広々とした東洋館の内部。
5階建て吹き抜けの構造で、中国や朝鮮、インド等のアジアの他、エジプトにまつわる考古遺物が展示されている。


しかし見所が多過ぎる為、今回は特に気になったもののみ厳選してサラッとお送りする。


エジプトゾーンにある「パシェリエンプタハのミイラ」。
既に「呪い」という言葉が脳裏をよぎるが、あくまでアカデミックな研究対象なので問題ないはず。


中国ゾーンにある 三彩鎮墓獣。
唐の貴人の墓におさめられた人面と獣面のコンビである。


こちらは中国の官人コンビ。
なんとなく鳥山明風のデザインがそそる。


様々な素晴らしい展示物の前を足早に通り過ぎ、地下1階へ。
異形の神々達が次々に出迎えてくれた。


チャクラサンヴァラ父母仏立像!!!


ヴァジュラバイラヴァ父母仏立像!!!


八臂十一面観音菩薩立像!!!

この辺の面子なんか、 まるでFFの召喚獣っぽい造形と中2心をくすぐる名称で妙にカッコいい気がする。
仏像マニア等でなくともそれなりに楽しめると思う。


そんなこんなで進んでいくと、一番奥に目的の展示物があった。


こちらが噂のヤバいやつ、その名も「呪詛人形」。
ワラを十字架状にまとめただけの簡素な作りだが、 それがかえって原始的な呪術道具というリアルさを感じさせ、とても不気味である。


何せ、明治10年(1877)に上野公園の銀杏の樹に打ち付けられていた 本物の呪いのワラ人形なのである。
怨念に賞味期限のようなものがあるのか不明だが、 来館者に「これは大丈夫なのかよ」というドキドキ感をもたらす攻めた展示である。


それにしても、ボディー部分に6本の釘が打ち込まれたままなのが生々しくてエグい。
隣にいた女性達が「写真撮れば?w」「えー、でも写真撮ったら呪われそうw」というやりとりを行う中、 特に気にせずバシャバシャと様々なアングルで撮影。


ちなみに、栃木県の小山市で先日開催された『ヒトガタ』展にも、普通に呪いのワラ人形が展示されていたので(残念ながらこちらは撮影禁止)、今更ビジュアル的な衝撃はあまり感じなかったのだが、やはりすぐそこの公園でゲットした現地特産品という事実が加わると、だいぶ重みというか説得力が異なってくる。


上野のこちらにも人形(ひとがた)銅器があった。
インドで出土した信仰に関わるものらしいが、ヒトガタというよりバケラッタ(『オバケのQ太郎』より)といった感じである。


呪いのワラ人形の近くには、妖怪キョンシーを撃退する道具として有名な銭剣があって、 負の要素を中和しているようであった。
ポスターの中央にも載ってるキラーコンテンツの割りには、 一番端っこの方のさり気ない配置だったけど。


『マジカル・アジア』は2017年9月5日~10月15日まで。
他にも色々あるので、気になる人は行ってみてはどうだろうか。

以下、お詫び


一応本館もウロついてみたところ、岩手の座敷わらし神社にあったものと同じ絵画を発見。
記事では適当に「座敷わらしの肖像画」と書いていたが、正確には岸田劉生による 7歳の愛娘を描いた『麗子微笑』でした。
お詫びの上、ここで訂正申し上げます。
何処かで見た事はあると思ったが、名前が出てこなかった。

以下、オマケ


『ヒトガタ』展が行われていた小山市立博物館内で唯一撮影出来たそれっぽい写真がこれ。
地元の子供達による手作りのヒトガタの掲示物である。
漫画やアニメのキャラをモチーフにする等、 子供らしい自由な発想で溢れているのがなんとも微笑ましい。
妙に多い殺せんせーverなんか腕の形状ごと変えてしまっており、そのセンスに脱帽である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Archives

News Headline

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system