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[2004.10.30]
残暑見舞特集 世界のホーンテッド・マンション



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霊界案内人 早見淳二郎

いやいやいや~、どうも皆さん、まだまだお暑うございますねえ。尋常じゃないくらい。
残暑が厳しいざんし・・・いや、何でもありませんよ、ええ。
でも私、夏って好きなんですよ。
暑い時だからこそ、怪談もますます盛り上がるんじゃないかと思うんですよ。
と言う訳で、今回はですね、こんな暑さを吹っ飛ばすべく、背筋も凍りつく古今東西の幽霊屋敷を紹介しちゃおうと思います。

それでは逝ってみましょう!

SPOT1:ボーリィ牧師館
在りし日のボーリィ牧師館

壁に現れた謎の文字の一部

イギリスのサフォーク州にはですね、かつてボーリィ牧師館という有名な幽霊屋敷があったんですよ。
ヘンリー・D・ブル牧師が、12世紀のボーリィ教会の側に、レンガと石のゴシック式ミックスな館を建てた1863年から、実に1300回を越える怪奇現象が起きたそうです。
部屋数は35あり、完成直後から館全体に亡霊が現れるようになり、出現した亡霊は30種類に及んだそうです。
1892年にヘンリーが死去し、息子のハリーが2代目所有者となったこの頃、首の無い馬が引く馬車が庭を駆け回ったり、首無し男や、修道僧と禁断の恋に落ち、生きたまま壁に塗りこめられ死亡したマリアンヌという尼僧の霊が頻繁に出現したそうなんですねえ。
1927年にハリーが死去した為、館はガイ・エリック・スミス牧師が所有する事になり、彼は1929年に20世紀最高のゴーストハンターと呼ばれたハリー・プライスに調査を依頼したんだ。
ところが調査が始まるとですね、亡霊達はさらに暴れだしたんですよ。ポルターガイストなんて日常茶飯事。
花瓶が突然割れたり、燭台がプライスめがけて飛んできたり、空中に指が現れて、鏡に「Marianne Please Help Get!」と書き残していったりしたそうなんだ。
1930年にL・A・フォイスター牧師が館を所有する事になりますが、なんとこの頃、最初の所有者であるブル牧師親子の亡霊までも出現するようになったんですよ。
1935年にフォイスター牧師が館を去り、1936年にヘイニング牧師が館に就任した。
1937年5月からの1年間は、プライスが館を借りきり、48名の調査団と共に本格的な調査を行いました。この時ですね、館の壁に様々な謎の文字が浮かび出たそうなんですよ。
画像からは、「I CANNOT UNDERSTAND TELL ME MORE(よく分からんからもっと教えてくれ)」「I STILL CANNOT UNDERSTAND PLEASE TELL ME MORE(いまだによく分からんからどうかもっと教えてくれ)」「Marianne(マリアンヌ)」という文字が読み取れる。
1938年3月27日、交霊の実験の際に、サネクス・アムレスという霊媒師が「この館はやがて焼失するだろう」と予言したんですよ。
で、同年5月19日にプライスらの調査は終了し、年末に館はグレグソン大尉に買い取られたんですがね、なんとこの後、霊媒師の予言が的中してしまう事になるんですねぇ。
1939年2月27日、ランプが独りでに宙に浮かび、炎を巻き上げ、館に燃え移ったんだ。
この時現場に居合わせた人々はね、燃え上がる炎の中にくっきりと浮かぶ尼僧の姿を見たそうなんですよ。
1943年8月17日、館の焼け跡を捜索していたプライス一行は、なんと地下室跡から人骨を発見したんですよ。鑑定の結果、その骨はマリアンヌのものだと断定されたらしいです。
彼女の骨は丁重に埋葬されましたがね、現在でもたまに尼僧の霊が目撃されるそうです。

SPOT2:ヘンダーソン家

1998年、アメリカのシカゴ近郊にある1903年に建てられたという古い屋敷に、ヘンダーソン一家は引っ越してきた。
主人であるヘンダーソンが、墓地の管理人の仕事に就いた為に、宿舎として屋敷を貸し与えられたんですよ。
で、引っ越して来てからしばらくして、この屋敷で様々な怪奇現象が起こり始めたんだ。
1999年12月の朝、突然2階の部屋から娘達の悲鳴が聞こえてきたそうなんですよ。
夫人が部屋に駆けつけると、2人の娘達は上のパジャマを脱いで、泣きながら身体のあちこちを見まわしている。
夫人が近寄ってよく見るとですね、娘達の身体中に無数の歯形の様な跡がついていたそうなんですよ。まるで何かに噛みつかれたかの様な。
娘達の話によれば、朝起きてみると何故か身体が痛かったので、パジャマを脱いでみたらこうなっていたそうなんだ。驚いた夫人は、すぐに主人のヘンダーソンを呼びに走った。
夫人が寝室のドアを開けて部屋に入ると、今度はヘンダーソンが上の服を脱いで背中を鏡で見ていたんですよ。
彼の話によれば、朝起きたら背中が痛いので、触ってみたらあちこち皮膚が盛り上がっており、背中には焼きごてを押しつけられて出来た火傷の様な跡が残っていたんですよ。
しかもね、なんとそれは「ダメなヤツ」という意味の文字を形造っていたんだ。
怪奇現象はこれだけでは終わらず、その日から屋敷の中に、白い人影が一家に度々目撃される様になった。
その白い人影はね、普段使っていない部屋のドアの前に立っていたり、廊下の隅に立っていたりして誰かが気づくと、フッと消えたりしたそうなんですね。
そんな状態でもですね、屋敷を引っ越しちゃうと墓の管理人という仕事を失ってしまいますからね、一家はやむなくここに住み続けたんですよ。
しかしある日、とんでもない事件が起きてしまったんだ。
なんとね、今まで現れても直接害を及ばさなかった白い影が、夫人の上に覆い被さるように乗ってきて、夫人を押し倒したんですよ。
夫人は、何か堅いものを感じつつも恐怖で声も出せず、身動きが出来なかった。
耳元では気味の悪い笑い声が響き、何かが身体の中に侵入してくる様な感じだったそうです。ええ、肉体の無い相手と肉体関係ですよ。
しばらくして影が去ってから、夫人は気を失う様にそのまま眠ってしまったそうです。
このあまりの出来事に、ヘンダーソンは霊能力者のチャールズ・ライトに一連の出来事を相談した。 そいで、屋敷を訪れたライトは、まっすぐに屋根裏部屋へと向かった。
屋根裏部屋は、この家に代々住んでいた住人達の残していった家具等がところ狭しと置いてあり、ライトはその中で一枚のウイジャ盤(西洋版「コックリさん」の道具)を指し、「悪霊はこのウイジャ盤から出て来て、屋根裏部屋に住み着いたのです」と断言したんだ。
さらに彼は、かつてこのウイジャ盤で行った占いが元で殺人事件が起き、悪霊の正体はその時の被害者だと語った。
で、ライトが「最近このウイジャ盤に誰か触わりませんでしたか?」と聞くと、娘達が昔この屋敷に住んでいた人達を調べようと、これを使っていた事が発覚したんだ。
ライトは一家に、すぐにウイジャ盤を処分して引っ越す様に勧めたんですがね、なおも仕事を失う事を恐れ、結局この一家はその後もこの屋敷に住み続けているそうです。

SPOT3:オーシャン通り112番地

アメリカ、ニューヨーク州アミテヴィルのオーシャン通り112番地には、かつて全米を震撼させた恐ろしい事件の起きた家があるんですよ。
1975年12月、ジョージ・ラッツはこの家を8万ドルという安値で購入した。
彼の妻キャシーには3人の連れ子がいて、彼らは大きな家を探していたんですよ。
しかしですね、引っ越してきた日から奇妙な事が起こり始めたんですよ。
娘のエミーがね、1人で子供部屋で誰かと話をしていたんですよ。
エミーは「ジョンと話しているの」と言ったんですよ、誰もそこにはいないのに。
異変はそれからも続きましてね、閉めたはずの窓が開いていたり、誰もいない部屋から話し声が聞こえてきたりしたんだ。
何よりも不気味だったのは、度々エミーが見えないジョンという男の子と話していたんだ。
引っ越して来てから14日目、とうとうジョージはずっと気にしていたこの家の歴史について、図書館で調べる事にした。
で、彼はここ最近アミテヴィルで起きた事件を新聞で調べる内にね、驚くべき記事を見つけたんですよ。
なんとですね、彼が購入したあの家は、丁度1年前の1974年11月13日に、一家が惨殺されるという事件が起こっていたんですよ。
犯人は、かつてこの家で暮らしていた自動車販売業者の息子エオナルド・デフォーという男でしてね、彼は夕食の時に家族全員に睡眠薬を飲ませ、午前3時15分に、眠っていた両親と姉弟4人を次々とショットガンで撃ち殺したんですよ。
彼は「家に命ぜられてやった」という謎の言葉を残し、現在も服役中なんだなあ。
ジョージが奇怪な行動をとる様になったのはこの頃からだった。
午前3時15分になると決まって斧を研ぐ様になったんですよ。
23日目になると、エミーは1日中見えないジョンと家中を駆け回って遊ぶようになった。
そして28日目の夜、ジョージは斧を持って階段を上がってきたんですよ。
ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ・・・ってな感じでね。
これに気付いたキャシーは、子供達を自分の寝室に集めて鍵をかけた。
すると、ジョージは斧で戸をたたき壊し、中に入ってきたんですよ、ええ。
キャシーは必死の思いで叫びながらジョージを押し倒した。
したら、ジョージは我に返り、自分が何をしていたのか、全くわからなかったそうなんですよ。
さすがにこれ以上ここにはいられないと、全員が家を飛び出した。
一家は二度とその家には戻らなかった。
その後、ラッツ夫妻は、心霊研究者のエドワード・ローレン・ウォーレン夫妻にこの家の調査を依頼した。 まず、ラッツ夫妻は専門家によってウソ発見器にかけられ、尋問が行われた。
2人が嘘をついていない事がわかった為、ウォーレン夫妻はあの家に泊まって調査をする事にしたんですよ。
調査初日から怪奇現象は起こり続け、1ヶ月に渡る調査が終わろうとしていた時、調査に協力していたカメラマンのボブが、暗闇でも撮れる赤外線カメラで部屋を撮影した結果、驚くべきものが写っていたんですよ。
それは2階の踊り場付近を撮った写真なんですがね、目の光る男の子の姿がはっきりと写っていたんですよ。もちろん、撮影時にその場に男の子なんていなかったのにですよ。
後に判明したんですがね、実は一家惨殺事件で殺された子供の中には、ジョンという名前の7才の男の子がいたそうなんですよ。
現在この家はリフォームされ、新しい住人が住んでいるそうです。

SPOT4:シュタイン館

ドイツのハノーバーから50キロ程離れたミッテルランドにロマネスク様式の貴族館がある。
シュタイン館と呼ばれる4階建てのこの館を手に入れたのは、ミューラーという図書館を退職した研究者だった。
彼がこの館を気に入ったのは、静かな場所にある事と、やたらに値段が安かった事だったんですね。
で、ミューラーが引っ越して来てから数日経った時、売主から手紙が届いたんですがね、それには「閏年の2月29日には館にいないほうがいいでしょう」と記されていたんですよ。
ミューラーは「やたらに安かったのは何か訳があったからなのか」と嫌な気がした。
しかし、時々雑用をやってくれる村の人々に、それとなく尋ねても真相は聞き出せなかったんですよ。そのうち奇妙な手紙の事もすっかり忘れ、彼は好きな研究に熱中した。
4階のある部屋のドアが壊れていて開かなかったんですがね、それもあまり気にしなかったそうです。
彼が館に住んで1年半程経った1952年2月29日の夜11時頃、ミューラーは普段と同様に自分の書斎で本を読んで過ごしていたんだ。
するとね、どこからか音楽が聞こえてきたんですよ。
庭に出てみると、なんと、あの、ドアが壊れて開かない部屋に明りがついていましてね、カーテンにたくさんの人影が見えるんですよ。どう考えてもおかしいんだ、ありえないんだ。
独身生活をしているミューラー以外には館に誰もいないはずなんですよ。
ミューラーは用心の為に剣を持ち、その部屋の前に立った。
そしてドアノブを回すと、開かなかったドアがすんなりと開いたんですよ。
しかも、部屋の中では不思議な仮装をした人々が踊っていたんですよ。
始めのうちは何が何だかわからず、立ち尽くしていたミューラーでしたが、そのうち、その人々に酒をふるまわれ、いっしょに踊るうちに、いつしか眠っていしまい、気がついた時は朝だったそうです。辺りを見回すと、天井には蜘蛛の巣が張り、テーブルや椅子やランプも埃まみれ。
さらに、なんと、あの仮装の人々がボロボロの仮装衣装から白骨の姿を覗かせて倒れていたんですよ。
これに驚いたミューラーは村へ駆け込んで、訳を知っていそうな老人達に聞いてまわると、2月29日は館を建てたシュタイン伯爵誕生日であり、その日には伯爵が一族を集めて、仮装舞踏会を開く習わしがあったそうなんですよ。
ところがある時、一族全てが行方不明になってしまい、伯爵も姿をくらましてしまった。
その後、館の主は何代も変わったそうなんですがね、何故か長く居つかずに皆出ていってしまったそうなんですねえ。
村では「シュタイン伯爵が利害の対立した一族を皆殺しにしたので、その亡霊達が仮装のままでこの世に現れるのだ」と言い伝えられていたそうなんですよ。
その後、ミューラーを最後としてシュタイン館には住む人がいなくなってしまったそうです。

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