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[2004.08.20]

SPOT21:青木ヶ原樹海



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富士山北西麓に広がる青木ヶ原樹海はですね、貞観6年の富士則火山「長尾山」の噴火によって流出した溶岩によって出来た面積約3000ヘクタールの原生林です。
樹齢330~360年程の針葉樹が多く、太陽を遮る為、昼間でも薄暗いんですがね、緑豊かな自然の宝庫故に、観光客が絶えないんだ。
しかし、一方でここは、年間20以上の自殺者の遺体が発見されているという、全国でも有名な自殺のメッカなんですねぇ。故に、多くの心霊現象が報告されてるんですよ。
一説では、数千の霊魂が彷徨っているなんて言われてるくらいですからねぇ。
樹海の中ではですね、溶岩流の形成する磁場の影響で、方位磁針が効かず、一切の方向感覚が失われてしまいますからね、くれぐれも遭難なんかしないで下さいよ。


山梨県河口湖

どうも皆さん。オカフジ探険隊隊長のオカフジです。
今回我々探険隊が挑むのは、日本有数の魔境、青木ヶ原樹海です。
外界からの侵入者をことごとく迷わせ、冥府へと誘う、恐怖の密林地帯。何が起こっても不思議はない、生命力が試される場所だ。
自分で自分の身を守る自衛本能がないと生きていかれないだろう。
故に、危機センサーを十分に働かせる必要がある。
立ちはだかる壁は乗り越える為にある!
若者よ、野性を失うなッ!

た、隊長!そんなとこにいては危険ですッ!早く戻った方が・・・!

大丈夫だ!
私はお前達と違い、これまで数え切れない程幾多の修羅場を生き抜いてきた!そこで研ぎ澄まされた五感が、常に危険を監視してい・・・

ズルッ
うわあ゛―――ッ!!!

たいちょーッ!!

ドボンッ

ひいいッ!

大丈夫ですかーッ!?

し、心配いらん。
今のはな、お前達に自然の中にはあらゆる所に危険が潜んでいるという事を教えたかったんだよ。我が身を呈してまでな。
作戦の舵取りと隊員の安全を守るのが、隊長である私の役目だが、探検隊最大の敵は密林ではなく、自分達の中にあるのだ。
それは気の緩みだ。密林では一瞬の気の緩みが命取りになる。
それを乗り越えるのは勇気。そして団結力だ!

よーくわかりました。じゃ、先に行ってますね。

おーい、待てーッ!!

調査開始

台風10号の影響で、強い雨が断続的に降り注ぐ最悪の天候の中、我々は樹海に突入する。

フッ、絶好の樹海日和じゃな・・・!

これの一体何処がやねん!

まさに自殺行為だすよ!

湿っぽいにも程があるっつーの!

おい、お前達もっと緊張感を持て。

遊歩道に有名な自殺防止看板がありました。

この看板のお陰で、自殺を思い止まった人はどれ位いるのだろう?

裏は邪悪だけどね。

随分と裏表が激しい看板ですね・・・。

耳障りの良い言葉ばかり並べる奴を信じてはいけないっちゅー事じゃな。

こちらは自殺防止呼びかけ箱だったもの。
かつてはこの中に、樹海で自殺する事の恐ろしさや、生還した方達が発見された時、生きながらにして腕から蛆が湧いていたというエグい体験談等の、自殺する気を無くすような事が書かれたチラシが沢山あったそうですが、何故か現在はラムネの瓶が入っている。

こんな天候でも観光客がいるので、見つからないように、遊歩道から脇にそれ、樹海の中へと入る。

前回みたいな警察沙汰はごめんですからね。

うっかり死体とか見つけちまったらヤバいぞ。

樹海歩きの必須アイテム、ビニールテープを遊歩道のすぐ脇の木に結び付け、伸ばしながら森の奥へと進んで逝きます。これが唯一我々と人間界を繋ぐ命綱です。
もしこれが切られでもしたら、明日の新聞に小さい記事で「アホなグループ樹海で遭難」なんて書かれかねませんよ。

で、遊歩道から10数メートル程進んだ時点で、視界は360度木ばっか。木を避けながら歩いているので、方向感覚が早くも赤信号です。
自分では直進しているつもりでも、実際には右にズレて歩いていたりするのです。
また、起伏が激しく足場が悪い為、非常に歩きにくく、しかも、溶岩石の穴の上に落ち葉が積もっていて、天然の落とし穴だらけなので、かなりの危機センサーが要求されます。

ここらで樹海お約束イベント、方位磁針狂い。

うわー、噂どおりホントに北を指してくれんぞ。

これが磁場って奴ですか。単に安物だからという可能性も。

で、さらに進んでいると・・・

不気味な布団発見。

しかも側の木にビニールテープで目印してあるよ!
こ、これはもう、ここで何かがあったとしか考えられませんて!

うわ~、嫌なの発見しちまっただすね~。もう帰りましょうっすよ~。

何言ってんだよ。探険は始まったばっかりじゃねーか。
帰りたきゃソロで帰れ。

じゃ、オラ、ちょっと小便しに外のトイレに行って待ってるだす・・・。

いちいちおしっこに帰る探険隊なんて聞いた事もないわい。
もしも、お前1人で樹海から出てくるところを誰かに目撃されたら、保護されちまうぞい、きっと。

オラ、そんなリストラされたリーマンみたいな顔してないっすよー!

待ていっ!動くなっ!静かにしろ・・・!
今、あそこらへんで何か動かなかったか!?

(またか・・・)何も動いてませんよ。

・・・風の悪戯か。よし、進むぞ。

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