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[2003.11.18]

プロローグ



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都内某所の監獄レストランにて

いやいやいや~、わざわざ呼び出してスミマセンね。

用って何なんですか?

まァ、とりあえず何か注文しましょう。カクテルでいいですか?

私、アルコール類ダメなんですよォ。

じゃあ、このナイトメア・ジュースってのを2つ、マスター。

ナイトメア?・・・で、用って何なんですか?

ヨシオさんを漢と見込んで頼みがあるんですよ。

金融関係と恋愛関係はNGですが・・まあ聞くだけ聞きましょう。

実は、私の高校の同級生が編集者でね。
そいつのススメでこの度、本を出版する事になったんですよ。

それはおめでとうございます。どんな本なんですか?

「それ逝け!心霊スポット」という、全国各地の心霊スポットを実際に訪れ、そこのレビューを書き記した、いわば心霊スポットのガイドブックのような本なんですよ、ええ。

へぇ~、すごいじゃないですか。

しかし問題があるんですねぇ。

え?

まだ一ヶ所もスポットに行ってないんですよ。

は?

そこでヨシオさんに、私の代りに各地のスポットへ行って、取材してきて欲しいんですよ。

んがァッ!!?
ご、ご自分で逝か・・行かれればいーじゃないですかッ!!

いえ、ね、自ら行きたいのは山々なんですけどね。
私も忙しい身なもんですからねぇ、尋常じゃないくらい。
決して恐いから行かないわけではないんですよ。
地方の講演会やら、怪談トーク・ショーなどに引っ張りオクトパスで取材に出向く暇がないんだなぁ。 そこで、常日頃暇そーなヨシオさんにお頼みするわけなんですよ。

なッ!?私だって忙しいんですよッ!あ、そーだ!帰って洗濯物取り込まなきゃ!

お、お待ちなさい。ほ、ほら、ナイトメア・ジュースが来ましたよ!

青汁じゃねーですかッ!!

もちろんタダとは言いませんよ。お礼は・・・、これでどうです?

フ、私クラスともなると、そんなお礼で釣るなんて古の手にはかかりませんよ。
・・・・・やけに分厚い封筒ですね。ちょっと中身を拝見・・・ こ、これはッ!?

いかがですかァ~?

おニャン子クラブのレア・カードじゃないですかッ!
こ、こんなに一体どこで手に入れたんですかッ!?

さっき言った同級生の編集者は、当時おニャン子の熱狂的なファンで、猛烈におニャン子のグッズを集めまくっていたんですね。
そんな彼が、私にこのレア・カードを全部くれたんですよ、ええ。
でも、おかしい、どう考えてもおかしいんだなぁ。尋常じゃないんだ。
あんなにハマっていたおニャン子の、レア・カードを私にくれるはずがないんですよ。
どうしてかなぁ~?何か変だなぁ~?なんて思って、私、彼に聞いたんですよ。
したら、彼、最近はモー娘。に魂を奪われちゃって、古い女を断ち切るかのごとく、私にこのカードをくれちゃったらしいんですねぇ。
どうやら、マニアには相当高く売れるようですよ。

あああ~~~。

―――――翌日―――――

都内某所の焼肉屋「高苦亭」にて

さァ、今日はどんどん焼きましょうね~。(ジュウ~~~)

こっから先の領域の肉は全部ワシのもんじゃァーッ!(ジュウ~~~)

そうはさせるかッ、このカルビ大魔王がァーッ!(ジュウ~~~)

一体どうしたんだよ、ヨシオ。
年中金欠マッハ・ゴー・ゴーなお前が、こんな高級な焼肉屋でご馳走してくれるなんて・・・。(ジュウ~~~)

いやァ、思いがけない収入があったもんですからね~。(ジュウ~~~)

あ、あらら!あちっ!(ジュウ~~~)

怪しい・・・、何か臭うな。(ブヒュゥゥゥーッ!)(ジュウ~~~)

で、数分後

なにゃァァァーッ!!
心霊スポットに一緒に来いだとぅァァァッ!!?

はい、そうです。

フン、アホらしい!断る!そんな暇あったらアキバに行くわっ!

俺もパスだわ!作りかけのガンダムのプラモを仕上げなきゃいけないんだよ!
さては、さっきのブーブー・クッションはお前の仕業d・・

ワシは・・・・・え~と、アレじゃ!アレじゃよ!
DASH村で畑を耕さないといけないから無理じゃ!!?

肉、食べましたよね。

しめて料金が5万3520円になりますが、誰か払える人いますか?私の他に。

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