静岡県伊豆市と同県賀茂郡河津町を結ぶ、全長445.5mの旧天城トンネル(正式名称:天城山隧道)は、標高711mの天城峠にあり、1905年(明治38年)に開通し、石造道路トンネルとしては、日本に現存する最長のものだそうなんですね。
1998年には国の登録有形文化財に、2001年には道路トンネルとしては初めて国の重要文化財に指定され、また、日本の道100選なんてのにも選ばれているみたいです。
1970年に、国道414号に造られた新天城トンネルの完成によって、現在は一線を退き、森の中にひっそりと存在している訳なんですがね、ここは川端康成の小説『伊豆の踊り子』や、松本清張の小説『天城越え』の中で登場する事からも有名でしてね、昼間は観光スポットでもあるそうなんですが、一方ではマスコミによく取り上げられる様な心霊スポットなんですよ。
噂としてはですね、かつて、ここのトンネル工事の事故により多くの作業員が死亡し、その遺体を供養せずにトンネルの壁に埋め込んだ為、浮かばれない霊の青白い顔がトンネルの壁面に現れるとか、もともとここは難所で、天城越えの際に多くの人が亡くなった為、その霊が今も彷徨っているとか、付近にある自殺の名所で己の命を絶った者の霊(1957年にはラストエンペラーの実弟の長女である愛親覚羅慧生(あいしんかくらえいせい)さんが自殺している)がトンネルに集まってくる等といったものが囁かれているみたいなんですよ、ええ。
あ、そうそう、国道414号からはずれた後は、トンネルまで続く道のり幅が狭く、街灯が殆ど無い為に夜間はかなり暗いそうなんで、くれぐれも気をつけて下さい。