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[2007.03.06]

SPOT4:ポプラ病院/U愛クリニック



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静岡県三島市安久には、ポプラ病院とU愛クリニックってな病院の廃墟があるんですよ。
ここはですね、老人専用の病院だったらしく、同じ敷地内に何故だか他の病院の建物が隣接して建ってましてね、噂によれば、手術の失敗により亡くなった老人の霊が出るとか出ないとか言われているんですよ、ええ。
そうした事が直接の原因かどうかは不明ですが、経営難に陥って潰れちゃったそうなんですねえ。
あ、そうそう、ちなみにですね、実はこの病院、廃墟となった現在はヤクザのモノで、よく駐車場で見張っていて、来た者をさらうってな噂もあるそうなんで、くれぐれも気をつけて下さい。


や、ヤクザのモノって何ですか、ヤクザって!
霊なんかより断然リアルに恐いでござるってば!
少なくとも霊は、海に沈めたり山に埋めたりしないでござるからね!

大丈夫ですよ、多分。
この手の廃墟物件にはよくある噂ですから。

そーじゃ、そーじゃ。
大体、もし仮にそんな奴が見張ってたとしたら、そのド暇な業務内容に哀愁と同情の念を抱かざるを得ないっちゅーの。

それはそうでもあるけれども・・・。

まあ、ヤクザの霊が出ないとも限りませんけどネ。

それはそれでレア度が高いから、エンカウントしてみたい気も・・・。

するかよっ!

調査開始

某大型電化製品店の裏手にあるっちゅー情報だけで訪れたのですが、前回とは打って変わってあっさり建物を発見。
ただ、入口がいまいち何処だか分からず、周辺が思いっきり民家に囲まれていた為、通報にビビってかなり気をつかって、遠回りして裏口と思われる場所から敷地内に潜入しました。

ひとまず駐車場で見張ってる可哀想な者は誰もいない様ですね。

それは何よりでござる・・・。

すぐそこでカーチョメチョメしてるっぽい輩の車はあったけどナ。

廃院の外観。3階建てで横長の中型物件です。
駐車場を照らす役割であったと思われるライトの存在が、何となく割と最近の廃墟であるという事を伺わすモダンさを放っている。

ガラス窓は殆ど割れてますが、概ね建物の外観は結構キレイです。

建物の正面入口。
もろに有刺鉄線でガードされてますが、ご丁寧にも先人が開拓した抜け穴なる経路があったので、そこから先へ進めました。

いきなり不気味な車椅子がお出迎えです。

ををう!
これはなかなかいい雰囲気を放ってる車椅子ですね!萌え~!

おいニシナギ、ちょっと座ってみ。
本気で押して乗り物酔いアビリティーに新たな項目付け足してやっから。椅子に何かベチョベチョしたもんがついてるけど気にすんナ。

絶対やだ。

内部に入ると、薬品のものと思われる妙な臭いが僅かに漂っており、正面の玄関から向かって左側の奥に、さり気なく受付がありました。
(どうも以前はここの手前に横長のテーブルが設けてあった様で、正確には受付の一部と言うべきでしょうかね)

正面の窓は固く閉ざされていたものの、横の小窓は開いていたので、強引に中へ入る事が出来ました。
にっこり微笑んでナースのお仕事です。

いらっしゃ~い。入院してって~。www

病状が悪化するでござるわっ!

アイツあそこにずっと閉じ込めておかね?!

待合室から続く通路を進んでいきます。

とある一室ですが、特にこれといったものはありません。

いくら廃墟歴が浅いといっても、何処からか何かが飛び出してきそうなバイオハザード的緊張感は、ここも共通しています。

さあ、どっからでも出てくるがいい、ジジイババアの霊共よ!
もれなくポックリ返り討ちにしたるわい!
でも入れ歯攻撃とかは恐いからやめろよナ!

ご老人に対して随分あんまりにもあんまりな・・・。

ここは入院患者の為に食事を作っていた厨房でしょうかね。

温浴治療室ってのもありました。
何となく老人専用の病院であったって事を伺わせる場所であります。

でもって、1階はあらかた見回ったので、元来た通路を引き返し・・・

野郎のパンチラを見せつけられつつ、2階へ向かいます。

・・・んんん、何故でしょう。
先程より2階から妙に吸い寄せられる様なものを感じますヨ・・・。

さ、さてはエロ本やAVが山の様に積まれていたりするんじゃ・・・!
だとすりゃ患者も病気である事を忘れるってもんじゃしな・・・!

何処の世界の終末治療法でござるかッ!
まったく、あんたそんな発想ばっかですナ・・・。

そんなこんなでやってきた2階には、病院の聖域とでもいうべき、ナースステーションがありました。
どうやら、左側と右側に分かれている病室の中間部に位置している様です。

・・・な、何だか体が疼きますね・・・。
一体私、どうしちゃったのかしら?あ、点滴の時間だ、行かなくちゃ!

ちょっ、カッパさん!?

まさか、取り憑いていたナースの霊が活性化したのかッ!?

かつてはこんな風に、患者の為にナース達が一生懸命お仕事に励んでいたのでしょうか。

いっけなーい!
間違ってポカリスエット(大塚製薬)投与しちゃった!てへっ!

むう、ドジっ娘ナースの様だな。

いや、アレはドジってレベルでは・・・。

ここは病室だったと思われるのですが、ベッドも何も残されておらず、寂しい感じでした。

妙にガラーンとしてるのが不自然で、むしろ不気味ですね・・・。

おっ、この転がってる棚まだ使えそうじゃな。
溜まった漫画雑誌を入れるのに丁度良さそうじゃ。
うーむ、持って帰ろうかな~?

んなもん検討しだすなよっ!何ですか、その緊張感の無さ・・・。

そして、多分ここは診察室のひとつだったと思われる部屋です。

天井近くの壁には、なかなか素敵な心がけが記された標語の様なもんがはっつけられてました。

これで何で潰れたんだろな。

で、屋上まで登りつめたのですが、行き止りで何も無かったので、とっとと建物の外へ出る事にしました。

建物の脇には、廃車と化した健康診断用のバスが放置してありました。なかなかの存在感です。

妙にバスが気に入った様子のナースマンこと源氏池のカッパ。

うっひょ~、キタコレ!この古ぼけたバス!萌え萌えですヨ!
これを見れただけでも、今日ここに来た甲斐があるってもんですよ!
ケータイのマチウケにしようかな!?

かつては健康診断用だったかもしれんけど、今や「あの世行き」のバスって感じでござるな・・・。

内部に入ってみると、具体的にどれが何をする為の機械かは分かりませんが、何となくレントゲンを撮影するのに使いそうなものがありました。

レントゲンって・・・、ここ人体的にヤバくないですか?

えっ?レメゲトン?あー、ソロモン王のやつか!

レントゲンだってば!
残留放射線とかあったら、ホンワカパッパーな事態に陥っちゃうでござるよ!

大丈夫ですよ、きっと守護霊がうまい事やってくれます。

むしろキャラの電波状態的にヤバいなこりゃ・・・。

霊界バスを後にし、お次は隣接するU愛クリニックの建物へ。
こっちの方自体には特に主だった霊的な噂話は無い様なのですが、まあ、こんな同じ敷地内に建ってるんですから、霊がこっちにもいない方が不自然ってもんです。

所々にクモの巣のバリアが張ってあり、若干我々に精神的ダメージを与えたものの、ここも出入口が開け放されててウェルカム状態だったので、難なく潜入出来ました。
それにしても、ガラスがバリバリ割れてて危ない危ない。

意外に内部は思った程は荒らされておらず、壁の落書き等も大してありませんでした。
でもって、床に転がっているものに注意を払いながら進んでいると・・・

カルテとかあったら面白いんですけどねえ。

おおっ、これはもしやっ!?

どーしたんでござる?

大魔王が何やら不審なビデオテープを発見!

こーいうもんに関してはめざといよナ。

毎度ゴメンなさぁい No.9

なんだ、心スポ名物のAVかと思ったのに・・・。
しかしこのドラマ、懐かしいな。

ビデオテープに紙とテープを貼り付けてる辺り、かなりの庶民っぽさを感じさせるでござるな・・・。

てゆーか、何でこんな物が落ちてるんでしょうね?
入院患者が娯楽用に持ち込んだものなのかな・・・。

当たり前の事ですが、医療器具等は回収されたのか、殆ど転がってなく、唯一それっぽいもんが棚の上に置いてありました。

全然何だか分かりませんが、セットの様ではありますね。
まあ、こんな所にほっぽり出されてる辺り、大したもんじゃ無いのは確かです。

トイレです。それ以上でも、それ以下でもありません。

ふむ、男女兼用な辺りに大いに疑問とロマンを感じるな。

ロマンて・・・。

こちらは老人患者用の浴場ですね。
特にジメジメとしていたり、嫌な空気を感じたりはしませんでした。

なあ、お宝とかも無さそうだし、そろそろ次に逝こうぜー。

・・・嫌です、私はここに残ります。
患者さんが私を必要としてくれているんです。
離れる事なんて出来ません。

またナースの霊が活性化ッ!?
つーか何ですか、その映画のラストの登場人物みたいな突然の決断は・・・。

調査結果:割と近代的な構造をしていた事もあってか、ぶっちゃけ霊的な恐怖感は殆どありませんでした。
つーか、あとでちょっと調べたところ、実はポプラ病院は、悪質な診療報酬の不正請求を行っていた為に潰れたって事が分かりました。
なんでも、診療録に偽りの記述を残し、6013万円もの診療報酬を国に水増し請求していたそうなのです。
診療の事実が無いにもかかわらず、あたかも行ったかの様に装い、延べ304人の診療報酬明細書1390枚を不正に作成し、また、本来は保険のサービスに入っているはずの排泄を行う為のお世話料や、個室の差額ベッド料等も老人患者から不正に徴収していた事実が、会計検査院の三島市への実地検査がきっかけとなって発覚したらしいです。
これにより、この病院は保険医療機関の指定と、保険・国民健康保険医の取り消し、そして、医業停止6ヶ月という重い処分を受け、やがて患者は皆転院し、現在の様な廃墟に成り果ててしまったという訳だそうです。
いやあ、まったく、なんだかんだ言っても、結局一番恐いのは生きてる人間って事ですね。

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