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[2013.09.28]

ジャージー・デビル
~200年以上語り継がれる都市伝説のUMA~



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ジャージー・デビル(Jersey Devil)とは、アメリカのニュージャージー州南部の広大な森林地帯パイン・バレンズ (松類荒原)周辺に古くから伝わる怪物です。過去260年に渡り、2000人もの人々に目撃されているそうなんですね。


かなり恐ろしい姿のジャージー・デビル▲
『フィラデルフィア・イヴニング・ブレティン』紙上で1909年1月に報告されたジャージー・デビルのイラスト▲

この怪物は、人間の子供が姿を変えたものだと伝えられており、「リーズポイントの悪魔」「リーズ家の悪魔」等とも呼ばれています。
身長は1m~1.8m程で、顔は馬や羊の様で長く、真っ赤な瞳をしており、足には蹄、手は鉤爪で長い尻尾に、コウモリの様な翼を持つとされ、他にも、足は11本あるという説があります。
炎と煙の息を吐いて家畜や人を襲うらしく、出現時には、犬が吠えたり、フクロウが鳴くといった予兆がみられると言われているそうです。
また、ジャージー・デビルが沼の上空を飛べば、吐く息によって腐敗した大量の魚が水面に浮かび上がるとも言われているようです。
さらに、ある地域では、ジャージー・デビルに触れられると知恵遅れの子供が生まれると伝えられているらしいですよ。
この怪物の誕生の経緯については、細部が異なるエピソードが複数存在しているんですが、 今回は一番メジャーなものを紹介しましょう。

ジャージー・デビルが生まれたとされているリーズポイントのシュラウド・ハウス▲
家屋は1952年に焼失して今では見る影も無いが、同地は若者達の間で心霊スポットの様な扱いになっている模様。
1735年、スミスビルという街に住んでいたリーズ夫人が13人目の子供を妊娠したものの、 激しい陣痛の痛みに耐えかねて、つい「こんな子はいっそ悪魔になればいい!」と呪いの言葉を口走ってしまったんですね。
すると、やっとの事で生まれた赤ん坊は、母親の腕の中で徐々に姿を変え、 おぞましい怪物と化してしまった。
そして、耳をつんざく様な叫び声を上げたかと思うと、天井と屋根を突き破って夜空に飛び立った・・・ってな話なんですよ。
実は、このリーズ家の母親はジャネット・リーズという実在の人物らしく、 少なくとも12人の子供がいた記録が残っているみたいなんですね。
もっとも、エピソード自体は後世に脚色が加えられた可能性が高いそうですがね。
この他にも、 地名が異なったりするものの、基本的にはリーズ夫人が登場し、例えば 近所の奥様らと魔術の真似事をした所為で赤ん坊が怪物に変身したとか、 サタンと交わって産まれた子供とか、 物乞いをした漂泊者を冷たくあしらった事で呪いをかけられ、 悪魔の子を産んだとか、夫人の子供が拾ってきた奇妙な卵を暖炉で暖めたところ、 怪物が産まれたとかいう話もあるそうですね。

ジャージー・デビルに遭遇するイメージ▲
この怪物は様々な遭遇事例があります。
1778年、パインズに訪れていた海軍のスティーヴン・ディケーター准将が、 砲弾テストを行うためハノーバー鉄工所を訪問していた際、 空を飛んでいた怪物に遭遇し、一発の砲弾をお見舞いしました。
しかし怪物は、砲弾が翼を貫通したにもかかわらず、それをものともせずに飛び去ったと伝えられています。
また同じく1820年代に、パインズの森で狩猟していたスペインの前国王ジョゼフ・ボナパルト(ナポレオンの兄)も、この怪物に2度遭遇したと日記に残しているそうです。
1740年には牧師によって悪魔払いがされたらしいですね。
しかし効果が出ず、1840年に再び姿を現し、1925年には雑誌にジャージー・デビルらしい生物を射殺したという記事が掲載されたんですよ。

フロリダのオーランド在住の男性が所有するという瓶詰めのジャージー・デビルの胎児▲
何故か瓶から取り出して科学調査を行う事は頑なに拒んでいるという。
1980年になってからも、ニュージャージー州南部に現れ、家畜を襲っちゃってるんだなぁ。
この時は襲われた家畜の側で馬の蹄に似た足跡が残されてたんですよ、ええ。
1906年には、ノーマン・ジェフリーズという人物が新聞にジャージー・デビルについての記事を掲載し、 その途端、あちこちで目撃が急増したそうです。
さらにその後、ノーマン・ジェフリーズはジャージー・デビルだという生物を捕獲して公開したんですよ。
しかし、これは作り物の翼をつけ緑色に塗ったカンガルーだったと、彼自身が1928年に告白しています。

住人のパニックを防ぐべく、ジャージー・デビルの噂を打ち消す為に当局が掲げた張り紙▲
「ジャージー・デビルはデマです」というシンプルな内容。
1909年1月16日~23日の8日間には、30以上の地域で数千人が目撃し、フィラデルフィアなどの都市部でも、学校は子供達が集団登下校し、工場は一時閉鎖される程の大パニックになりました。
1909年1月16日、ブリストルという街に住むサック・コゼンズという男が、翼が生えた両目の光る怪物が飛んでいるところを目撃し、 同じ日にブリストル郵便局の局長E・W・ミニスターも、馬の頭が付いた奇妙な生物が鳴き声を上げて飛び回っているのを目撃したそうなんですね。 21日には、怪物によって市街電車が襲撃されたという事で、武装した警備員が出動する事態にまでなったそうです。
1927年には、タクシー運転手が車のタイヤを交換中、森の中から現れた全身毛に覆われた怪物に遭遇し、 怪物は車の屋根に乗って車体を大きく揺らしたそうで、運転手は恐怖のあまり、 車を置いて逃げてしまったという事件も報告されているみたいですね。
これらの事件以降、ジャージー・デビルという恐ろしい怪物のイメージは定着し、1930年代になると目撃報告がさらに増え、 事態を憂えた州政府当局は非常事態宣言を発令し、州全土で日没後の外出を控え、 家畜を安全な場所に入れる様に指示が出されたそうです。

当時の新聞報道▲
州内の新聞も毎日の様にジャージー・デビルの目撃情報の記事を書きたて、 住民の恐怖を煽り、この怪物の存在は全米に知れ渡る事となったんですね。
もっとも、この時期は噂に便乗して売名目的による嘘の証言もかなりあるみたいですがね。
1951年11月22日には、 同州ギブスタウンの少年達が、体長2m程の半人半獣の奇怪な生物を目撃し、 警官が現場に駆けつける騒ぎが発生したそうです。
1961年、パイン・バレンズで2組のカップルがダブルデートで車内にいた際、突然車の屋根が何物かに破られた。
こりゃおかしい、尋常じゃないって驚いた4人は、慌てて車を置いて逃げたそうなんですがね、 少ししてから現場に戻ると、 コウモリの様な翼を持った怪物が鋭い鳴き声を上げながら上空を飛んでいたそうなんですね。
1970年代になると、多くの研究家によって本格的な調査が開始され、 1980年には怪物はニュージャージー州南部に現れて家畜を襲い、 馬のひづめに似た足跡などの物証を残し、目撃事例の信憑性の裏づけに一役買ったみたいです。

直立歩行型のジャージー・デビルのイメージ▲
1993年12月には、 ニュージャージー州の自然公園管理者ジョン・アーウィンが深夜、森のパトロールでパイン・バレンズを車で走行中、 体長1.8mで体毛が黒い二本足で立つ怪物に遭遇したそうです。
その後、90年代後半になりインターネットが普及してくると、 怪物の目撃情報はネット上で広く簡単に共有される様になった。
1999年には、ジャージー・デビルの存在を調査する「ザ・デビル・ハンターズ」という団体が結成され、 目撃レポートの作成や目撃者へのインタビュー、さらにパイン・バレンズでジャージー・デビルの捕獲を目指す悪魔狩りなど、精力的な活動を行っているそうです。
そうした団体の調査内容によると、 ジャージー・デビルは過去の都市伝説などではなく、21世紀の現在でも目撃され続けているみたいなんですね。
2006年9月には、同州のワットン森林地帯を横断するハイウェイにて、 走行中のドライバーが恐竜の様な生物が翼をはためかせながら、目の前を通り過ぎたという報告があるそうです。

広大なパイン・バレンズの森▲
ジャージー・デビルの正体については、 中生代の翼竜の生き残り、また、何者かが遺伝子操作で作った人工生物じゃないかと言われていますが、当然根拠は無いです。
他にもアフリカに生息するウマヅラコウモリ説やミミズク(アメリカワシミミズク)、カナダヅル等の動物の誤認、 チュパカブラの亜種だなんて説も挙げられているんですね。
有名な未確認生物研究家ローレン・コールマンは、 「ジャージー・デビルはニュージャージー州内に棲息している未確認動物の総称で、 その姿もコウモリの羽を生やした馬の怪物というものから全身毛に覆われた直立歩行型だったりと 様々であり、見慣れない生物を見た人々が“悪魔”と呼んだ可能性が高い」と話しているそうです。
また、1909年の騒動については、その後の調査で、「デマ情報によって引き起こされた 集団パニックだった思われる」という報告がなされているんですね。

森の奥深くで潜むジャージー・デビルのイメージ▲

噂話が語られていくうちに次第に尾ひれがついたと思われるジャージー・デビルは、 UMAというより都市伝説的な存在ですが、 200年以上に渡って周辺住民に恐れられ続けているというのは事実で、 今もパイン・バレンズの森の奥深くで人知れず潜んでいるかもしれないですよ。


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