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[2013.08.10]

マッド・ガッサー
~恐怖の毒ガス怪人~



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【甘い香りにご用心】


マッド・ガッサー(Mad Gasser)▲
初期の頃は麻酔浮浪者、幽霊麻酔師とも呼ばれた。

マッド・ガッサー(Mad Gasser)▲
初期の頃は麻酔浮浪者、幽霊麻酔師とも呼ばれた。
マッド・ガッサー(Mad Gasser)は、 かつてアメリカの片田舎にある小さな町に現れ、集中的に謎の毒ガス攻撃を仕掛けて住民を恐怖に陥れた怪人です。
事件現場の目撃者によると、犯人は全身黒ずくめの人物だったらしく、 そいつから撒き散らされたガスは甘い香りだったみたいなんですがね、 どうも、頭痛と吐き気を起こさせ、体を麻痺させるってな危ないもんらしかったそうなんですね。
そもそもマッド・ガッサーが最初に現れたとされるのが、 1933年12月22日の夜、バージニア州のボトトート郡でした。
当時、この郡区に住むある夫婦がガスの様な変な臭いに気づいたらしく、「うわあ、嫌だなあ、何か変だなあ、勘弁して欲しいなあ」ってな感じで、 身の危険を察知して夫が警察に通報した。
やがて駆けつけてきた警官は、不審者による再度の攻撃に備えて深夜まで警戒したそうなんですがね、 ところが、マッド・ガッサーの奴ときたら、警官が現場を引き上げた後に、またガス攻撃してきたみたいなんですよ。
実はこの時、夫妻は彼らの家の地主のところに避難していたそうなんですがね、 今度はそこが攻撃され、地主も一緒に毒ガスの被害にあっちゃったそうなんですよ。
けども、今度は警戒してただけあって、現場から走り去る不審な男の姿が目撃されたそうです。
しかし、腑に落ちない事に、 後の現場検証でガス攻撃が行われたと思われる家の窓の下辺りには、女物の靴跡が見つかったみたいなんですねえ。

いくら怪人だからって、ちょっと怪しさ大爆発過ぎるじゃろ!
ガスだけにな・・・!

こんな奴の情報をつらつらと記してるこのサイト自体も大概ですけどね・・・。

それにしても、これは全力で通報100回するレベルですよ。

そりゃむしろ自分が罰せられちまいますヨ。


恐怖の毒ガス怪人▲
どう見ても不審者です本当にありがとうございました。

恐怖の毒ガス怪人▲
どう見ても不審者です本当にありがとうございました。
その後に起こった類似事件でも、不審者が目撃された辺りで女物の靴跡が発見されたらしく、 しかも、事件発生時刻に現場近くをうろつく男女の乗った不審車が目撃された例もあり、 マッド・ガッサーの正体が男なのか女なのかは判断するのは微妙な所で、 単独犯で無い可能性も有り得るってな訳なんですよ。
この時、毒ガスにやられた被害者に現れた症状は、大体が吐き気や口と喉の機能障害、痺れといったものなんでがね、 最初に襲われた夫妻の娘さんにおいては、かなり容態が危険だった様でして、 人工呼吸を施して、何とか蘇生させたそうですが、その後もしばらくは痙攣の後遺症が残ったらしいです。
こんな症状を引き起こす甘い香りのガスの正体については、 警察の捜査上でも重要なキーポイントとなり、早い段階からエーテルやクロロフォルム、催涙ガスの可能性は否定されたそうですが、 具体的な種類については特定出来なかったみたいですねえ。
まあ、次にマッド・ガッサーが現れた際に撒き散らしたガスの中には、 少量のホルムアルデヒドが含まれているってのは分かったそうですがね。
また、一時期は塩素ガスが犯行に用いられたとして有力視されたものの、 現在ではその説も否定されているようです。

まさかコイツ、甘い臭いの屁“フルーティー・ボム”を放つ事が出来る能力者か・・・!?

なんだよ、そのろくに使い道の無い虚しい特殊能力は!

エレベーターとかの複数人に囲まれた密室で急にこきたくなった時は便利じゃろが!

もおっ、下品な方にもってくのはやめましょうよ~。
そんなだから他サイトのリンク集でお笑いカテゴリーに入れられてしまうんですよ・・・。


毒ガス怪人はガスと一緒に恐怖と不安を振りまいた▲

毒ガス怪人はガスと一緒に恐怖と不安を振りまいた▲
でもって、1933年末から翌34年2月にかけてのこの時期、 マッド・ガッサーはボトトート郡一帯で同様の犯行を十数回も繰り返したそうでしてね、 1月22日には、ガス攻撃した家の住人が銃で発砲するも、 うまい事現場から逃走し、警察による近隣の道路封鎖すらも突破されて姿を消したらしいですよ。
相次ぐ怪人の出現に、街の住人達の間にも緊迫感が漂い、 武装自警団によるパトロールが開始されたんですね。
ところが、この頃になると模倣犯によるものと思われる犯行も発生してきたそうで、 例えば、少年が悪戯で殺虫剤の瓶を民家の中に投げ入れたりしたそうなんだなあ。
こんな感じでね、数多い類似事件によって、疑心暗鬼に陥り武装するまでに至った住民達の 集団ヒステリーには、警察も頭を悩ませましてね、 なんとか事態を収めようと、警察は“マッド・ガッサーの攻撃”なるものは、「壊れた煙突から漏れ出した有毒ガスや、 単なる模倣犯による悪戯であった」という公式見解を発表したそうです。
すると、2月に入ってしばらく経つと、ガス攻撃事件そのものが発生しなくなった事もあり、 騒動は一応の終息を迎えたみたいなんですね。

出たよ、いつもの国家権力による隠匿プレイ・・・!

そんな放置プレイみたいな言い方せんでも・・・。

でも、毒ガスも「直ちに人体に影響は無い」とか言いそうですね・・・。


【帰ってきた怪人】

次にマッド・ガッサーが現れた人口1万6000人程の町マツーンの住宅地図▲

1944年当時の事件現場▲

1944年当時の事件現場▲
さてさて、バージニアでの騒動から11年後の1944年、 すっかりナリを潜め、あまり話題にも上らなくなっていたマッド・ガッサーが、 イリノイ州のマツーンという小さな町に、何故か再び姿を現したんですねえ。
基本的に犯行のあらましは以前と同様なんですがね、 同年8月31日の早朝に発生して以降、ガス攻撃事件が連続する事になるんですよ。
9月1日午後11時過ぎ、バート・カーニー夫人は、部屋の中に漂う甘い臭いで目を覚まし、 急に吐き気に襲われ、下半身が痺れたそうなんですね。
夫人は寝室の窓から身を乗り出して助けを求めたところ、窓を開けたせいか異臭はすぐに消えたそうです。
その後、仕事を終えて帰宅した夫は窓の近くに、背が高く、黒づくめで頭にツバの無いピッタリとした帽子をかぶった 不気味な人物を目撃したそうなんですね。


当時の事件を報道する新聞紙面▲

当時の事件を報道する新聞紙面▲
9月5日には同じ事件が4件発生し、被害者の1人であるビューラ・オーディス夫人は、帰宅時に 玄関の前で白い布を拾って臭いをかいだところ、途端に体が痺れ始め、その場で嘔吐し、数分後に顔全体が火傷を負った様に腫れ上がったそうです。
しかし、2時間後、それらの症状は何事も無かったかの様に治ってしまったそうで、 州の当局が白い布を分析したそうですが、特に何も検出されなかったみたいなんですね。
マツーンの警察署は、24時間のパトロール体制を敷いて犯人逮捕に乗り出したが、 それをあざ笑うかの様に事件は連日起こり、9月6日に3件、ここでも背の高い黒づくめの怪人が現場から逃げるのが目撃される。
9月7日には、この怪人が厳戒態勢の中、大胆にもある夫人の家に侵入しようとするも未遂に終わったそうです。
9月8日にも3件発生し、どうやらマッド・ガッサーは、男性のいない世帯か、いない時ばかり狙ってきた様でしてね、 この日、被害を受けたコロンビア小学校のフランシス・スミス校長とその妹も、真夜中に襲撃を受けた。
彼女らは、青い霧の様なガスが室内に充満するのを目撃し、外からブンブンという妙な音がするのを耳にしたそうです。

しかし恐ろしいやつですね、うちの近所にも現れたらどうしよう・・・。

いざとなったらPTAが過剰に反応してなんとかしてくれるじゃろ。

せいぜいアニメやゲームによる悪影響が原因とか言って取り締まれるのがオチですヨ。

疑心暗鬼に陥り武装した住民達のイメージ▲

なんとなく存在がアメコミっぽい?マッド・ガッサー▲

なんとなく存在がアメコミっぽい?マッド・ガッサー▲
そんなこんなで、バージニアの時と同じく、危機感を抱いた住民も武装して街を歩く様になり、 事態を憂慮した州警察から大部隊が派遣され、やがてFBIの捜査官も2人やってきた。
しかし、事件は尚も起こり続けましてね、9月9日には6件、10日にはマツーン北西部の高級住宅街が襲撃された。
で、だんだん人々の間では、マッド・ガッサーは狂った科学者による新兵器の人体実験ってな感じの、怪しい噂話が囁かれる様になったそうでしてね、 確かにこの頃、街には1人の精神異常者が住んでいたらしく、彼の所には2人の姉妹がいて、 その彼女らが男を拘束した頃から、マッド・ガッサーによる事件が発生しなくなった事から、 当時、結構信憑性のある話として受け入れられてたらしいです。
また、前述の噂とは別に、住人達の間では事件の犯人と思しき容疑者の男がいたらしく、 その人物を逮捕しようとする動きがあったそうなんですがね、 彼は嘘発見器のテストにパスして釈放されたらしいです。
こうした事が住民達を精神的により追い込んだらしく、 街の空気は重苦しくなり、ついには、 事件を解決できない警察に対する抗議行動が起こる様になった。
しかし、マッドガッサーが市街地から周辺の農村地帯にまで活動範囲を移す様になると、 事態は急展開を迎えるんですね。
9月10日、警察は一部の犯罪者の存在は認めながらも、「怪人は想像の産物に過ぎない」との 公式見解を発表し、一連の事件は住民達の集団ヒステリーや幻覚によるもので、 ガス攻撃とされたものも、最終的には地元のプラントで使用されていた有毒ガスが流出して 起こったものだと結論付けたらしいんですね。


マッド・ガッサーなんていなかった?▲

マッド・ガッサーなんていなかった?▲
これ以後、警察はマッド・ガッサーに関する通報はまともに取り合わなくなり、 それまで盛んに事件を煽っていた新聞も、手のひらを返す様に 怪人の存在について懐疑的な記事を掲載し始めた。
実はこの背景には、農村地帯でマッド・ガッサーが出没する様になる直前、 武装した農民が市街地までやって来て、 自警団のパトロールに参加するってな動きがあったそうなんですがね、 それらのある夫妻が家に帰った際、自宅が例のガスで充満しているのに気づき、 通報があったみたいなんですよ。
けども、それまで農村部で事件は起こってなかったのに、 あまりに出来過ぎたタイミングであった事から、マッド・ガッサーの存在 そのものの胡散臭さを強調する形になったってのが、少なからず起因してる様なんですね。
そして、マツーンでのマッド・ガッサー事件は9月13日以降、パッタリ発生しなくなったそうなんですがね、 興味深い事に最後の目撃報告によると、 現場にいた犯人と思しき怪しい人物は、男物の服を着た女の様な姿をしていたそうなんですね。
でもって、寝室の窓の下には、以前の見つけられたのと同様に、ハイヒールで出来たと思われる靴跡があったみたいですよ。

つまり、怪人の正体は世間に憎しみを抱いたブロンドの巨乳美女だったかもしれないと・・・!

えーと、今の一体どの部分からそんな結論へ・・・?
さてはプロファイリングってやつですか?

いや、これはただの願望が滲み出たものかと・・・。

だってお前、裸ワイシャツ(男物の服から置換)でハイヒールなのに、これでブスとか断じて許されないじゃろが!

大丈夫ですか?なんか妄想混じっちゃってますよ?

変なガスでも吸ったのかよ!?


【怪人の正体】


海外で販売されたマッド・ガッサーの玩具▲

海外で販売されたマッド・ガッサーの玩具▲
マッド・ガッサーの正体については、アメリカでは精神異常者の他に、 宇宙人やUMA、超能力者や異世界人など、まあ色々言われてるらしいんですがね。
記録によると、マッド・ガッサーは一定の期間をおいて現れており、 1933年から始まって、44年、61年、78年、87年ってな具合に幅があるものの、 事件の記憶が人々から忘れ去られる頃に、原因不明の毒ガス事件があるんだそうです。
これ程長期に渡り活動を行うマッド・ガッサーには、実は特別な意図があったとされる 噂があるみたいなんだなあ。
って言いますのもね、 マツーンに住むジョージって老人が、軍に所属している弟から聞いたところによると、 一連の事件はナチスが極秘に開発した毒ガス兵器の人体実験であったとの事で、 なるほど、確かに裏で軍が絡んでいたとなると、捜査当局も圧力を受けて、真相を隠匿しようとするのは 頷ける話ではあるんですよねえ。
もっとも、警察の発表通り、事件の多くは集団ヒステリーによるものが大きいとは思いますがね。

なるほど、全体的にガス臭い・・・いや、ガセ臭いったらありゃしねーな。

特にナチスのくだりは取ってつけた感が否めませんね・・・。

でも、この感じだと、今後もまだ出現しちゃうかもしれませんね。


参考文献:
『AMERICAN HAUNTINGS』
『ディープ・ダンジョンVer2.1』 
『最強の都市伝説』 並木伸一郎・著


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