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(独白) いよいよ、ブリッケツが目と鼻の先にいる所までやって来た・・・。 隊員達も少々疲れ気味の様だ。 密林の中ではいつも気を張り続けている故、無理もない・・・。
彼らの苦労を無にしない為にも、何としてもブリッケツを捕らえたい。
その思いがますます強くなっていた。 このすぐ近くで、私達と同じ空気を奴は吸っている。 もうあと少しだ・・・。 |
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ナレーション |
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待つしかなかった。昼下がりの気だるい空気が辺りを支配していた。 このまま何事もなく、日が暮れてしまうと誰もが思っていた・・・。 しかし、ブリッケツは密かに動き始めていたのであるッ!
ピピピピピッ |
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た、隊長!センサーに反応がッ! |
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おおお、掛かったかァ!気づかれるなよ!静かに急げ! |
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ナレーション |
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ついにブリッケツが直接その存在を我々に示した! 周りにも気を配りながら、慎重に向かう! ブリッケツを捕らえる事は出来たのか!? |
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ナレーション |
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と、その時ッ! |
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ズルッ |
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ゴロゴロゴロッ・・・ |
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あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―――ッ!! |
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ナレーション |
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気が焦ったか、隊員が足元をすくわれ、崖から転がり落ちていくッ! |
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ツカールーッ!! |
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ををいッ!?大丈夫かァー!?ジョー、急いで救出に行けッ! |
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イエッサー! |
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ナレーション |
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幸い、何とか左腕骨折だけで事無きを得た隊員! 緊張感が緩むと、何気ない場所でも大怪我を負う場合があるのだ! |
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隊長、すいませんだす・・・。 |
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・・・気をつけろ。それより、現場に急ぐぞ! |
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ナレーション |
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探険隊は全力で現場まで突っ走った! 一体、どんな状況が待ち受けているのかッ!? |
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と、次の瞬間ッ! |
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ズボボボーッ! |
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にゃあ゛あ゛あ゛―――ッ!!! |
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ナレーション |
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誤って隊員が罠に掛かってしまったッ! |
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動画:密林DEホール・イン・ワン
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バケヤロウッ!きっちり危機センサーを働かさんかッ! |
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隊長ッ!設置しといたバナナがありませんッ! |
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何いッ!?さてはブリッケツが持っていったのか!? 罠に掛からず、バナナだけ持っていくとは、なかなかやるじゃあないかッ! |
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ナレーション |
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まだすぐ近くにセンサーが感知した生物が潜んでいるかもしれない! もしもそれがブリッケツだとすれば、突如、逆襲にあう可能性もある!緊張と恐怖が入り混じる、複雑な感情が胸を突き上げる! |
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隊長ッ、どーすんでござるッ!? |
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こんな事もあろうかと、バナナの中に発信機を埋め込んであるッ! ブリッケツがバナナを持っていったとすれば、この受信機の反応を辿っていけば、奴を追跡する事が出来るッ! |
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受信機をバナナの発信機の方に周波数を合わせる! わずかな音も聞き逃さない様、耳をそばだて、電波の強さから方向を割り出す! |
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あっちの方じゃッ! |
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発信機のある場所が判明した!しかもそれは移動している! やはり、ブリッケツがバナナを手に持って歩いているか!? 電波を捉えた事によって、ブリッケツの動きが手に取る様に分かる! |
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次第に電波は強くなっていた! それはとりも直さず、我々がブリッケツに急接近している事に他ならなかった! |
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と、その時ッ! |
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ズルッ |
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にゃあ゛あ゛あ゛―――ッ!!! |
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先頭を切っていた隊員が突如クラッシュ! 一体何が起こったというのかッ!? |
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今度はどーしたあッ!? |
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こんな所に、腐ったバナナの皮がッ! |
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隊長、こっちには発信機を埋め込んだ実の部分が落ちています! |
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何だとゥ!?クソッ、感づかれたか・・・! |
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ナレーション |
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バナナが落ちていた!ブリッケツが手放したのであろう! 発信機もバナナの中に入ったままであった! 一体バナナを置いて、ブリッケツは何処へ消えたのか!? 何故バナナを手放す必要があったのか!? 腐っていたからであろうか!? ブリッケツは自分が追いかけられている事に気づいたのであろうか!?発信機を回収し、隊長の指示を仰ぐ! |
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隊長、どーするだすか!? |
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ぬぅ~、仕方が無い・・・。このまま進もう・・・! |
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ナレーション |
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我々は目標を失った! 真っ暗闇の中で唯一の光が消えたようなモノである! 相手の動きが全く分からない! 追い詰められた事を知ったブリッケツが、逆に待ち伏せをして、反撃に出てくる事も十分考えられる! ブリッケツのテリトリーで我々は最大の危機を迎えていた! 電波の発信が消えた方向だけが唯一の頼りであった! ブリッケツはどこにその巨体を隠したのか!? |
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と、その時ッ! |
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アレは何だッ!!? |
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ナレーション |
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茶色いのイターッッッ!!!!! |
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お、おち、おちゅちゅけいッ!(訳:落ち着け) |
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ナレーション |
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ついにブリッケツがその姿を現したッ! なんと凶暴そうな面構えであろう・・・! 探険隊は、ブリッケツ発見の喜びと同時に、その迫力ある姿に恐怖を感じ、息を飲んだッ! |
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し、静かにしろォ!動くなよォ! おい、アレ、ブリッケツに間違いないよなァ、おい!なァ、おい! |
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た、隊長、アレはヤバイでござるよ・・・! 明らかに肉食な顔してるでござるって・・・! |
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おっかねえ・・・!オラ、あんなん捕まえるの嫌だすゥ! |
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でもさ、身長160cm位じゃね? |
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・・・難なら、私がマシンガンで仕留めましょうか? |
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・・・いや、ダメだ・・・! (以下、独白) ブリッケツは危険過ぎるッ! 幾多の修羅場を潜り抜け、培われた私の勘が、奴を一目見た瞬間、そう判断していた!故に、これ以上の冒険は出来なかった! 中には目の前にいるブリッケツを捕まえたいと考える者もいた!
だがしかし、隊員の命を守るのも、私の務めである! |
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ナレーション |
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生身の人間が、密林に君臨する野獣といきなり対峙するのはあまりに危険であるッ!かといって、銃で殺してしまっては元も子もない! 湧き上がる情熱を必死で抑えながら、ただただ静観するしかなかったッ! |
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ナレーション |
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その後、ブリッケツは密林のさらに奥へと姿を消し、二度と我々の前に現れる事はなかった・・・! 開発の進む小金井で、安住の地を求めながら奥地へと逃れ、生き抜いてきたのである! 追跡されている事を知れば、身を隠すのも当然であった! |
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(独白) どうやら最後の決断を下す時が来た様だ・・・! 食料も既に尽きかけ、隊員達の疲労も極限に達している・・・! もはやここに居続ける事は出来ない事を誰もが悟っていた・・・。 思うに任せない悔しさを腹の底から噛み締める! だが、ブリッケツの姿を捉える事が出来ただけでも、今回の探険は成功と言えるだろう・・・! そもそも、人間のエゴで大自然の中を生きる生物から、自由を奪う権利は無いッ!
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ナレーション |
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小金井奥地にブリッケツの森は確かに存在した! しかし、我々の捕獲作戦はことごとく失敗に終わった! だが、心に焼き付いた強烈なインパクトは、取り逃がしたという悔しさを補って余りある!それはむしろ、心地良い程の敗北感であった! 我々が追い求めるのは、秘境の扉の向こうに煌めく「未知なる物」という宝! その宝が輝き続ける限り、我々の探検にピリオドが打たれる事は無い!
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ところでアナベベ、この方向で帰り道はあっているのか? |
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ブッチャケ、今、迷子デース。 |