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[2019.10.22]

松園観音
~墓石ロボとミニ仏軍団が見守る墓地~



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岩手県盛岡市の郊外、ニュータウンの丘陵に位置する霊園墓地「松園観音」には、実に特徴的で興味深い仏像が鎮座している。


まず入口付近のお堂(壱願観音堂)の外壁には・・・


一面びっしり木彫仏像が並んでおり、その圧倒的な物量と大胆な収納方法を見せ付けられる。




小さな仏像は荒削りながらも、穏やかな表情で合掌する姿が味わい深く、中には人生訓のような言葉が書かれているものもある。


お堂の裏手にも所狭しと安置されていて、まるで仏像のスタンディングオベーションのような絵ヅラが、妙な迫力を感じさせる。


これら「万体仏」と銘打たれた約1万体もの像は、私財を投じて同地に禅堂を建立した小田哲男(天牢師)なる人物の作品らしい。


昭和43年から「刻仏壱万体完成同時土中入定即身成仏」を目指して彫られたもののようだ。


見所はこれだけではなく、墓地内を進むと左手の坂の上に、何やら巨大なお地蔵様らしき像がある。


が、よく見ると、なんと像の胴体が墓石で出来ているのである。
合掌こそしているが、その姿はまるでゴーレム。


正式名は「大仏万霊塔」というらしい。
斜面を利用し無縁墓を集めて作ったようだが、故人の名がそのまま露出していて少し生々しい。


有事の際には、“墓石ロボ”として起動し、墓地を、いや街を守るのかもしれない・・・なんて妄想も捗る存在だ。


この仏像フェス状態からも察せられるが、 小田天牢師は独特の宗教観を持った実業家だったそうで、同墓地も一般に無償提供されたものらしい。




墓地内には「参禅道場天牢庵」なる護摩堂もある。




建物の内外はやはり万体仏で満たされ、 顔色の悪過ぎるおかめが異彩を放っていた。




さらに、奥の険しい山道を下っていくと、味わい深い不動明王の山門と、「五合庵禅堂」なる茶室も。
目の前にはバスターミナルがあり、仏の世界から人間界に帰ってきた事を実感させられた。


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