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[2019.10.18]

蜂天国
~世界初のスズメバチ芸術館~



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人間に恐怖と恩恵をもたらす存在の蜂だが、この昆虫に特化した奇妙な施設が長野県東御市にある。


その名も「蜂天国」。


天国というだけあって、建物の外には天に召された蜂の為の供養塔が。


かと思えば、早くも蜂とか無関係そうな謎の怪獣オブジェがあり、 同地の一筋縄ではいかない感じが滲み出ている。


ここは自称“世界一の蜂の芸術館”であり、スズメバチの巣を素材とした造形作品が、なんと1600点以上も展示されているのだ。






内部に入ると、まずそこにあるのは「蜂の杜神社」。
巨大な蜂の巣と融合した布袋や招き猫などが並び、奇妙な参道を形成しているのだ。






このように展示物はもっぱら、様々な物を蜂の巣と融合させた作風となっている。




まるで宇宙生物に寄生されたかのような、不思議な光景の数々に驚かされる。




最近は新作「はちのイノちゃん」なる逆さイノシシ像が窓の外にぶら下げられ、 現在進行形で巣に住むスズメバチを、ガラス越しで間近に眺める事が出来る(時期は8月~10月頃)。






また、館内の中程には、世界最大の蜂の巣の彫像としてギネス認定された富士山(※1)をはじめ、 スペースシャトル、ナイアガラの滝、新幹線あさま号などをモチーフにした大型作品も並び圧巻。

※1:高さは3.766mで、160個ものキイロスズメバチの巣を合体させている。


蜂を敬愛する館長・塩沢義国さんは、「ハチは悪者に非ず」「小さな体で大きな仕事をする企業の手本」という独自の哲学を持ち、1994年より蜂の巣アートの制作を開始。


以来、本業のセメント会社経営そっちのけで創作活動に没頭し、 夏はスズメバチの巣を採取しに各地を回り、いつしか駆除依頼まで引き受けるように。


他の駆除業者とは違い、塩沢さんの場合はスズメバチを殺さず、巣ごと生け捕りにする。
そして、鉄筋の骨組みに蜂の巣を固定し、巣と巣の隙間は蜂自らが塞いでいき、作品を形成するのだという。


忌み嫌われがちな蜂のイメージを改善すべく、体を張り続ける塩沢さんの熱い想いが、同地には結集しているのである。


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