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[2020.02.26]

淡嶋神社
~人形で溢れかえる雛祭り発祥地~



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人形供養で有名な和歌山県和歌山市の「淡嶋神社」は、全国から奉納された約2万体もの人形で境内が埋め尽くされている。




古くから栄えた港町・加太の海沿いに鎮座する同社は、全国に約1000社余りある淡嶋神社系統の総本社。
日本神話で国造りに参加した薬神・少彦名命(すくなひこなのみこと)がご祭神だ。


江戸時代の紀州徳川家が姫君誕生の初節句の際、一対の人形を奉納する習慣があった事から、 現在も毎年30~40万体の人形が納められるという。




特に本殿前には無数の市松人形が並び、異様な程の存在感を漂わせている。 これらは供養の後に焼却されるという。


宝物殿の地下倉庫に保管された“髪の毛が伸びる人形”(普段は非公開)と併せて、 度々メディアに心霊スポット扱いで紹介される物件でもある(※2)。

※2:神社にしては珍しく、夜間の立ち入りは禁止。
これは肝試しや人形の無断投棄を行う者が訪れる事を懸念しているからだという。


ただ神社側も、公式サイトで心霊人形を紹介するくらい寛容な姿勢であり、 “人形は遊ばれる事や、見られる事が供養になる”として、何であれ関心を持たれる事は意義があるという考えらしい。


供養に熱心過ぎたせいか、2016年9月には600体以上の日本人形を大阪のUSJに貸し出し、 ハロウィーン・イベントのお化け屋敷内で「祟 TATARI ~生き人形の呪い~」として使用された為、 お炊き上げばりにネットが炎上するなど、色々と話題になった(※3)。

※3:供養の依頼人に無断で人形を貸した上、お化け屋敷の素材だった事で物議を醸す。
人形メーカーなどが加盟する日本人形協会も、祟りや呪いといった恐怖の対象として扱われる事は営業妨害に繋がるとして、 USJと淡嶋神社に対して抗議文を送付する事態となった。


人形供養の他、雛祭り発祥の地とされ、 毎年3月3日には、大量の雛人形(内裏雛)を白木の舟に乗せて海に流す神事「雛流し」が行われている。


また、雛祭りの語源が「スクナヒコナ祭」の簡略化とも言われ、 お内裏様とお雛様についても、淡嶋神社の祭神たる少彦名命と神功(じんぐう)皇后のご神像とされている。




その為、当然人形のイメージが最も強いが・・・






他にもぬいぐるみ、達磨、招き猫、信楽焼の狸、他の動物の置物・・・






古今東西の仮面などが、まるで骨董市の如くズラッと陳列されている。




“不気味そうな人形神社”というイメージとは異なり、全体的にはアート性が感じられる華やかな雰囲気だ。




また、婦人病や安産祈願など、女性にご利益がある神社としても知られ、 境内奧の末社には・・・




なんと参拝者が履いていたパンツや、男根形が多数奉納されている。


パンツはビニール袋に入れて奉納し、誰の趣味なのか未使用よりも使用済みの方がご利益があるという。 また、昔は髪を奉納していたらしい。






世にも妖しく美しい、女性の為の聖地なのである。


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